こだわりブーランジェの研修の一環として、不二油脂(株)のつくば研究所を視察しました。同社は、油脂と大豆たん白素材の研究・新製品開発を行うとともに、世界各地で各種油脂製品の販売などを行っているグローバル企業です。今回の視察は、当会会員のまつさんの紹介により見学の機会を得たもので、会員10名が参加しました。
今回、同研究所では、油脂とパンの関係に絞って説明を伺いました。製パンに使用する油脂(バター、マーガリン、ショートニングなど)の個別特徴・状態・役割、製パンにおけるマーガリン・ショートニングの用途、練りこみ用油脂とパン生地に及ぼす効果、油脂の添加量がパン生地に及ぼす影響など、懇切に説明していただき、質問にもお答えいただきました。
さらに、同研究所の作業場も案内していただきました。研究所では、パンやケーキを実際につくっていますが、これは販売のためでなく、同社の油脂をどのように使用すればおいしいパンができるのか研究するためです。そして、直前に説明のあった、油脂の添加量がパン生地に及ぼす影響についは、実際にその場でパンを焼き、実演して見せていただきました。
油脂の含有が0%のパン、10%のパン、20%のパンの3種類を見せていただきましたが、これを見ると、油脂0%のパンでは、生地のキメが粗く不均一で、表面にも気泡が浮かんでいました。20%のパンでは、生地がだれてしまって盛り上がり少ないし、食べてみると、多少油っぽい感じでした。10%のパンは、キメが均一で、口溶けも良かったような気がします。これでわかったことは、油脂は少なくてもダメだし、多ければいいというものでもないということでした。
ところで、同研究所では、実際のパン屋さんが備えている機材がすべて揃っていましたが、当工房でもおなじみの愛工舎製のパン捏ね機などが目につき、親しみを感じました。
今回の視察は、2時間半という限られた時間ではありましたが、業務の多忙な中、ご案内していただき心から感謝をいたします。会員それぞれいい勉強の機会になったと思います。