さくらびレポート170〜さくらび作品紹介⑥「ちいさなちきゅう」

櫻ヶ岡中学校の中平です。

作品名「ちいさなちきゅう」。

女子2名と、信州大学工学部による建築集団「team hacila」のコラボ作品です。

最初は、教室の中で家を建て、中学生好みの空間を作るというコンセプトで始まりましたが、途中から方向転換をした作品です。

大の宇宙好き、宇宙人好きな女子中学生の本領発揮に、対し、正面から取り組んでくださった信州大学工学部の学生さんに大感謝です。

真っ黒にインスタレーションした教室の農業用マルチ。最も演出に力と時間をかけた作品となりました。

この作品つくりを通して、新しい「学校アートプロジェクト」や「総合的な学習の時間」の可能性を見つけました。

あえて美術系ではない方とのコラボは、お互いに未知の領域に入るため、新しいアートや表現を見つける可能性に富んでいるということです。美術関係者と中学生が「これからアートを作るよ」と言えば、アートを作ることを目標とするでしょうし、アートしか生まれてこないでしょう。それは、いわゆる「アート作りを目標としたワークショップ」と何ら変わりありません。ワークショップは、「技を持った人が、他者に技を伝える」仕組みであることに対し、学校アートプロジェクトは「技を持った人と中学生が出会うことにより、全く新しい何かを作り出すこと」だと思うのです。この「ちいさなちきゅう」のプロセスを見て、気づかせてもらいました。

この方向性は、「主題」を失っているにもかかわらず「主題設定」に苦心している「総合的な学習の時間」にも新しい視点を与えていると思います。