さくらびレポート171〜さくらび作品紹介⑦「危険区域」

櫻ヶ岡中学校の中平です。

さくらびアートプロジェクトは、とても自由な表現活動を通し、中学生好みのアートを作り出そうという活動です。その活動は、美術的な表現力の向上だけではなく、アートを通したコミュニケーションの場や、自分の進路を考えるきっかけの場とも考えられます。それだけ可能性に満ちた空間です。

今日紹介する作品名は「危険区域」。

男子2名と武蔵野美術大学映像学科の学生さんを中心とした3名の大人とのコラボです。

とにかくアニメや生徒の言う「二次元」の世界が大好きな生徒が、さくらびで大人の力を借りて本当に、自分たちでデザインした自分たち好みの映像を作品を完成することができました。展示会場は真っ暗で、ところどころ発光するオブジェなど、蛍光塗料で光る模様などで怪しい雰囲気を出しています。まさにオタクっぽい空間に油断すると見せられてしまいそうな効果的な演出が秀逸でした。

準備期間では、もともとコミュニケーションがあまりうまくない生徒ですので、なかなか作業が進みませんでした。締め切りに間に合わず学生さんに御迷惑をおかけしました。

しかし、さくらび終了後、2名の男子生徒は、大学生の方々に「本当にありがとうございました。3年間のいいまとめができました」とせいいっぱいのお礼を言ったことが印象に残っています。

美術を通して彼らは様々な出会いがあったらしく、こんなことも言っていました。
「美術大学に入ると、一日中、こんな好きなことばっかりやってられるんだね、先生。」

アートプロジェクトは、自分の将来の進路をも考えるきっかけを与えているのです。職場体験学習という就職段階をイメージする活動も大事ですが、数年後の自分をイメージするアートプロジェクトも、キャリア教育に有効であると考えられると思います。