Nプロジェクト実行委員会の中平です。11月27日土曜日、千葉大学准教授・神野真吾先生のお招きにより、中平千尋と紀子は、wican主催トークイベント「学校はart不足?」にトーカーとして参加してきました。
千葉は、長野と違いとても暖かく、びっくりしました。電車を降り、千葉市美術館へ向かい、一階のロビーに入ると、wicanが春から取り組んできたプロジェクトの報告展が行われていました。会場はなんと文化財のスペースなんだそうです。美術館が取り組みを後援してくれているそうで、こういった素晴らしい空間に展示しているんだということです。
展示は、驚くものばかりでした。学校の空き教室、余裕教室をどう活動することが、学校を生き生きさせるのか、という課題を学生さんと建築家・曽我部昌史さんが協働提案しています。戸倉上山田中学校の廊下アートセンターをかなり参照されたという「カフェ」機能、「郵便局」という機能、全て学校内の空間ですでに生徒が行っていることだと漢字、全くの荒唐無稽な提案ではない、実現可能な提案だと感じました。
すでに学級や学校は多文化し、生徒は学校内で多くが「異人」となっていると思います。そういったことをふまえると、もはや学校で伝統的に行われている画一的な一つの事柄を全員に一斉に教えるという形はすでに崩壊していると思います。そういった現実とリンクした5つの提案であると感じました。
午後3時からは、トークイベントがスタート。窓外は素晴らしい景色で驚きました。
学生さんのプレゼンはわかりやすく、ポイントが整理されており、驚きました。実際にどこかでやってみると更にいいかもしれません。
その後、建築家・曽我部さんのトーク。
「一気に子どもが増えた時代、早くたくさんの学校が必要になり、同じような建築の学校が増えた」「画一的な風景の建築である学校からはやはり画一的な考えの人間しか育たないのではないか」
後半は、ながのアートプロジェクトとして中平千尋・紀子が登場。おもにとがびの廊下アートセンターの事例紹介と、さくらびからの基本的な考え方の紹介をしました。
いろいろ質問をしていただき、自分自身の頭の中もすっきりしてきました。やはり、プロジェクトの真ん中で活動していると、今どうなっているのか、よくわからなくなってきます。そういう時、いろいろな方から質問や御指摘を頂くと、「ああ、これはこういうことだったのか」と納得できるものです。40名以上の方が集まってくださり、充実した時間が過ごせました。ありがとうございました。
写真は、wicanのギャラリー。こういう場があると、活動の発信拠点となるので良いと思いました。ながのアートプロジェクトには、こういった場所がありません。こういう場所はより多くの方に活動を知っていただくことができる機会を提供できると思います。たとえば、プロジェクト後に、今回のトークイベントをやることにより、プロジェクト当日の会場へ来ることができなかった方にもプレゼンすることができるのです。千葉のトークイベントには、40〜50名のかたが来られていました。とがびやさくらびに来られた方で今回も来場された方はおよそ10名ほどでした。ということは、とがびの入場者数が700人だとすると、その3から4倍の2000人くらいは「当日行きたかったけど行くことができなかった。報告会があれば言って話を聞いてみたい」という人がいるかもしれないということです。
実は、先日長野門前で行われた小池氏主宰のトークイベントでは、ネオンホールの清水さんから「蔵を改造してスペースを作ったらどうですか」と提案されました。面白いとは思います。意味もあると思います。しかし、私がそれをやるとしたら、教師をやめないと無理でしょう。
とにかく、千葉の皆様、本当にありがとうございました。これからもよろしく。