新型インフルエンザに対して免疫がある人は、若い世代では60%前後に上る一方、高い年齢層になると4分の1以下にとどまることが、国立感染症研究所の調査で分かりました。
専門家は、流行が本格化する前にワクチンを接種すべきだと指摘しています。
国立感染症研究所は、ことし7月から9月にかけて、全国の6000人余りから協力を得て血液を採取し、インフルエンザに対して免疫があるかどうか調べました。
その結果、新型インフルエンザに対し免疫がある人の割合は、5歳から24歳までの若い世代で、いずれも60%前後と高くなっていることが分かりました。
一方、50代から70代の高い年齢層になると、免疫がある人の割合は4分の1以下にとどまり、中でも70代後半では8%と最も低くなっていました。
今シーズンの患者の報告でおよそ7割を占めるA香港型では、16%と低かった5歳未満の乳幼児を除き、新型インフルエンザほど年齢層による違いは見られませんでした。
国立感染症研究所の岡部信彦感染症情報センター長は「新型インフルエンザに免疫のある人は高い年齢層で少ないことが確認できた。
一方で、季節性への免疫については年齢層による違いがあまりないので、年齢に関わらず、流行が本格化する前にワクチンを接種すべきだ」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20101209/k10015731681000.html
◆2010年度インフルエンザ抗体保有状況調査/国立感染症研究
http://idsc.nih.go.jp/yosoku/Flu/2010Flu/Flu10_1.html