アサヒアートフェスティバル2010検証コメント

櫻ヶ岡中学校の中平です。師走に入り、何かと忙しい毎日です。先日、メールでアサヒアートフェスティバル事務局から検証委員会のコメントが送られてまいりました。今年一年間、全国で充実したプログラムが行われていたことに、敬意を表します。そして、ながのアートプロジェクトに対しても暖かいコメントを頂き、本当に嬉しく感じました。私たちも今後もがんばりたいと思います。来年も是非よろしくお願いします。

以下、頂いたコメントを紹介します。

◎インターネット上の展開

インターネット環境がより使いやすい形に整備され
るなかで、様々なプロジェクトがネット上のメディ
アを駆使し、プロジェクトのありようを多角的に伝
えていた。今年はまた、それぞれの活動にあった利
用の仕方が模索されていたのが特徴である。
たとえば「ながのアートプロジェクト」は、ブログ
自体がひとつのプロジェクトのような充実ぶりで、
中学校という言わば閉ざされた空間で行われている
プロジェクトの欠点を補って余りある瑞々しいもの
だった。また「横浜下町パラダイスまつり」や「か
じこをつくるプロジェクト」なども、自らのプロ
ジェクトの特徴を生かし、非常に効果的なツールと
して活用していた。

■08−ながのアートプロジェクト2010〜学校を美術館
にしよう

長野県の千曲市戸倉上山田中学校、長野県櫻ヶ岡中
学校でのアートプロジェクト「学校を美術館にしよ
う」は、今年で7回目をむかえる(当初は戸倉上山
田中学校1校で実施)。
今年も、美術部と選択美術、総合学科で美術を選択
する生徒たち(キッズ学芸員)を中心に実現したプ
ロジェクトは、中学生が率先してアートに関わるも
のとして、プロセスも含めて刺激的な内容になって
いる。キッズ学芸員として活躍した中学生が、訪れ
た保護者や地域の人々、アーティストと、アート作
品を通して語り合うことにより、自然な形で自信を
持って生活し始めるという状況も数多く報告されて
いる。中学生達の創造性の発露として大変貴重な機
会となっており、卒業生の尽力で丸子修学館高校、
京都造形大学がプロジェクトに加わるなどの広がり
もみせている。
しかしながら依然として、学校としての取り組み、
教師間への横の広がりには至らず、それぞれの学校
の美術担当教員である中平千尋、中平紀子両氏の尋
常ではない努力で継続されているのが実態である。
また、平成24年度には選択美術授業の廃止が決定さ
れており、このプロジェクトの継続は困難を極めて
いる。
こうしたなかで、この類いまれなプロジェクトの
アーカイブ化がまたれる。また、硬直した教育現場
でこのプロジェクトがなにを成し遂げてきたのかを
徹底的にリサーチし、総括される必要を感じる。
AAFはこのプロジェクトの継続を応援し続けるとも
に、AAFとしてもこのプロジェクトを正当に評価し、
その存在を知らしめる手だてを考えるべきではない
か。