有料老人ホームに入居する際に支払う一時金の返還を巡るトラブルが相次いでいることを受けて、国の消費者委員会は、ホームの利用者を保護するための法整備を進めるよう厚生労働大臣に建議しました。
有料老人ホームは、入居する際に一時金を支払い、食事の世話などのサービスを受けられる施設で、一時金については、厚生労働省の指針で、入居から90日以内の解約なら原則として全額を返還するよう定められています。
しかし、消費者委員会が首都圏の施設を対象に調査した結果、指針を守っていない施設が多数あることが分かったことなどから、厚生労働大臣に対し、強制力のない指針に代わって、ホームの利用者を保護するための法整備などを進めるよう建議しました。
消費者委員会の松本恒雄委員長は記者会見し、「ホームの一時金は額が大きいので、戻ってこないと高齢者が生活のやり直しができなくなる」と述べました。
このあと、松本委員長から建議の内容を書いた文書を手渡された細川厚生労働大臣は「今後、しっかり検討して、問題が起こらないよう建議に基づいた方策を考えたい」と述べました。
建議は、法律に基づき国の省庁に必要な対策を求めるもので、消費者委員会による建議は去年9月の設立以来2回目です。
http://www.nhk.or.jp/news/html/20101217/t10015923211000.html
◆消費者委員会 (平成22年12月17日)/有料老人ホームの契約に関する実態調査報告
http://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2010/1217/101217_shiryou1-1.pdf
◆「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」/厚生労働省
http://www.pref.kagawa.jp/choju/kaigo/jigyosya/kuni/pdf/4-25-
3.pdf