「やさしい人」物語☆☆

皆様こんばんは!!!

東京は今雪がしんしんと降り積もっています。ホワイトバレンタインデー☆あなたにとって今日はどんな一日でしたか?

さて、昨日アップした「やさしい人」について、この曲ができた背景を今夜はお話させてください。

今から10年ほど前の春、ボーカル☆Rは、乳がんのため多摩市内の病院に入院しました。その手術直後の喪失感と孤独感から、ある朝、ベッドの上で堰を切ったように、ワンワンと大きな声で泣き出してしまったのです。その声を聴いて、ベッドサイドに駆けつけてくれたのが、主治医のS先生と担当看護師のTさんでした。大の大人が、病棟中に響き渡るような大きな声で大泣したのですから、周囲の人々はさぞ驚いたことでしょう。

それでも、お二人は、私が泣きやむまでずっと手や足をさすりながら、何も言わずにそばにいてくださいました。そして、しゃくりあげる私を優しい表情でみつめて、こうおっしゃったのです。

「失ったものを嘆くより、与えられたいのちを大切に生きませんか?」

その言葉は、私の心を明るく照らす、希望のともしびとして、今も輝いています。

その時のあたたかな情景を、退院から数年が過ぎたある日の午後、ギターを爪弾いていたときに急に思い出しました。その瞬間、私の心に降り注いだメロディーと歌詞が、「あなたの てのひら こんなに あたたか」というフレーズでした。そのフレーズを繰り返しくちずさむ間に、涙が溢れて、心が一杯になって、次々と歌詞が流れ出ててきたのです。

寂しい時、不安な時、そばに誰かがいてくれる。ただ黙って寄り添ってくれる。そんな優しさがありがたくて、嬉しくて、「やさしい人」が生まれました。

あの時の、お二人の手のひらのぬくもりを、音楽を通して沢山の人々に伝えたい、愛をもって人に接したい。そんな気づきを得るために、病という恵みをいただいたのかもしれないとさえ、今、感じます。

「愛」の本当の意味。それは、あたたかで、まあるくて、輝いている、そんな陽だまりのような、そっと包むような優しさなのだと思うのです。

私も「やさしい人」になりたい。

病院や施設を訪問するという☆アルビレオ☆の音楽活動の源泉。それはあの日の温かなてのひらのぬくもりであり、あの病院のロビーで聴いた生の音楽の癒しの力でした。

誰かのそばにいて、一緒に時を過ごし、心の声に耳を澄ます。そんな優しさが誰の心にも、泉のように備えられていると信じます。あの時の、てのひらの温もりのような温かな響きがこんこんと湧き出でて、そこに集う人々の心が潤されるような音楽。それを☆アルビレオ☆は目指したいと願っています。

今日も読んでくださってありがとうございました。

☆おやすみなさい☆

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