さくらびレポート290〜表出と表現@ココロ14歳

櫻ヶ岡中学校の中平です。毎日の授業や学校生活の中で美術やアートなどにかかわり感じたことを書いています。

2学年必修授業「ココロ14歳」。この題材は、紙粘土で自分の一生を振り返りながら今・現在のココロを、色と形で表現しています。

この題材は、本当に、多くの2年生がはまって制作しています。ある生徒に聞きました。「なぜ、こんなにはまっているの?」生徒「えーと、紙粘土をぐちゃぐちゃやっているのが楽しいからかな」「絵の具を紙粘土に混ぜて色が変わっていくのが楽しい」

これは、きっと、表現活動もあるけれど、多分に表出活動の要素が含まれているからなのかなと思いました。「表出」とは、何か目的があってこういをしているわけではない「紙粘土をぐちゃぐちゃ」「絵の具がどんどん混ざっていく」という言葉のような素材とのかかわり、素材との遊びのことではないかと思います。

写真を見てください。土台となる木に、大量の墨を塗って大喜びしています。手だけでなく腕も真っ黒になっていました。この表出活動のあと、生徒たちは、またもとの自分たちの活動に戻っていき、作品を完成させていました。

表出を十分に行うことで表現の土台ができる。その後、作品も満足感が訪れるのかもしれません。

写真の作品は、作品が完成したあとに、ホットボンドのボンドで糸のような「表出活動」をした作品。作者曰く「すごい。いいのができた」「私のすごいよ。見て見て」

表出活動とは、小学校の造形遊びに近い感じもしますが、もっと無意識なものであり、個人の意識がストレートに「表出」されているようにも感じます。

昨日私が本ブログで紹介した一年生の綿棒遊びも同様で、「表現」の前の「表出」がとても重要であると思いました。