教育とはなんだ 重松清編著

就職 卒業後に待つものとはなんだ 玄田有史より

*若年への対策について質問されるたびに
高校中退者への対策をもっと考えていいんじゃないかと僕は言う
高校中退者は毎年10万人以上強で中退率も少しずづ上昇している
ある統計によると中退者の多くは学校をやめたあと「なにもしない」
別に引きこもりというわけじゃなくても、職探しもしないし
かといって積極的に遊ぶわけでもない
そういう子たちがいざ何かをやろうとすると、だまされてしまうことが多いんじゃないか

*老婆心ながら思うのは人間関係をつくる事に対して閉じている子が多い
自分の力で1歩入っていくことに慎重だし傷つきやすい
ひきこもりがその極端な例になると思う
夏目漱石は「外発的」という言葉を使っている
ほんとうに個人が個人として成り立つためには「外発」という要素
外から働きかけて引き出してくれる要素が必要なんだ、と

*「夢を持ちましょう」なんて言うより、夢なんか持たなくても
ちゃんと生きていけるということを教えた方がいいんじゃないか
テレビでもみんな「夢を持て」と言う。あれは成功してる人だから言えるんだ
99,9%の人は夢が持てないから苦しんでいる
苅谷剛彦さんは「今の教育は自己実現すればいい。自分を発見すればきっと
いいことがあるから早く自分らしさを探しなさい』というプレッシャーに
追い詰められている子が多いんじゃないかと書いている

*子どもたちのゲーム感覚の万引きが最近大きな問題になっている
その根っこを探っていくと、お金はコミュニケーションの手段。
ならば「物を買ってお金を払う」という最低限のコミュニケーションをも
放棄する万引きは、言葉を放棄してナイフを振りかざすのと等値になる

<菜の花は春を感じさせてくれます>