軽視された?津波の影響 原発の安全性議論の転機に 桜井淳より

東日本大震災によって起こされた今回の原発事故の
最大の要因はマグニチュード9,0という専門家すら
予測できないほどの大地震に見舞われたことにある

今回の地震では他の女川、福島第2、東海の各原発では
いずれも発電機が機能し安全に停止された
しかし福島第1は1,3号機で発電機が働かず
2号機も14日になって冷却機能が失われた

では他の原発と福島第1を分けたのは何か
日本の多くの原発は海面からわずか数メートルのところにあり
福島第1もそうだった
これに対し女川は震源域に近く揺れが大きかったはずだが
比較的高い場所に位置し津波の影響は受けていない

福島第1で発電機が機能しなかった原因が地震の揺れによるものか
津波の浸水などによるものかは分からないが
仮に後者だとすると安全審査で津波の影響を軽視してきたことに
問題があったのではないか
地震には津波がつきものにもかかわらず焦点を当ててこなかった

今回のことをどう考えるか
被害を甚大と見て長期的な展望に立ち天然ガスによる火力発電や
風力発電に替えていくべきなのか

いずれにしろ今回の事故は欧米で地球温暖化対策として
原子力発電の再評価が進み『原子力ルネサンス』と沸いていた
関係者に冷水を浴びせかけるだろう
原発の安全性について従来、建前でごまかしてきたが
この事故を真剣に考え、社会の合意を形成する必要がある

<アリッサムは小さな花です>