★3月24日(木)

現地から3日目の活動を報告します。この日は、岩手県野田村支援を実行するた
めの関係づくりを進めました。早速、弘前から25日に現地入りされる方々(「津
軽衆融資野田村号」)と調整を行いました。NVNADでは、この皆様と現地情報を
交換し、現地での動きについて一緒に検討いたしました。そして、皆様のご支援
をさせて頂くことにしました。また、西宮方面からのボランティア参加について、
八戸、弘前等との連携のもとに具体化していくことにしています。

(1)「津軽衆有志野田村号」の皆様との連携による支援を展開
 23日に私どもが把握した野田村の現状を八戸の皆様と共有するとともに、弘前
大学の山下先生に伝えておりましたところ、津軽で救援の動きがあるという連絡
を受け、津軽の皆様と支援活動の展開について打ち合わせをさせていただきまし
た。津軽地方の中心地弘前では、観光関係の皆様が集会を開かれ、被災地支援が
具体的に決まったそうです。グループの名前は、「津軽衆有志野田村号」。
NVNADが支援を必要性を訴えておりました岩手県野田村へ、ボランティアと物資
が入ることになりました。まず25日に数名の方々が、津軽のりんごなどを持参し
て、野田村に向かっておられます。
 打ち合わせでは、世界自然遺産白神山地で活動しておられる土岐司さんが代表
となり、弘前大学の学生さんや北海道教育大学の学生さんが野田村に向かうにあ
たり、どういう方針で活動するかということを話し合いました。このブログでも
紹介しましたように、野田村ではまだ人命救助活動が続いており、現地災害ボラ
ンティアセンターは立ち上がっていません。被災者の皆さんが、黙々と片付けに
取り組んでおられる姿があります。避難所には物資が届き始めているものの、き
め細やかなお手伝いができているような現状にはありません。もちろん、”ニー
ズ”なるものがどこかで集約されているわけでもありません。
 では、ボランティア活動はできないか?時期尚早か?決してそんなことはあり
ません。村に一歩入れば、できることは山ほどあります。そこで、「津軽衆有志
野田村号」で現地に向かう皆様には、一応、災害ボラセンを軸とした“標準的”
な活動を簡単にご説明申し上げた上で、今回は、標準ではない活動を展開するこ
とをお願いしました。標準的ではないと言いましても、実は、それは、「被災さ
れた方々の傍にいること」、「被災された方々が中心であること」、そして、
「何であれ被災された方々が望まれることができるように工夫する」をするのだ
という、NVNADが考える“ボランティアの原点”です。このことを忘れないで、
現地では、臨機応変の活動をするということで意見が一致しました。
 津軽衆は、津軽のリンゴを持って行かれます。しかし、リンゴの箱を配って食
べて下さいというのではなく、1つ1つ手渡しをして、もし場が許せば、一緒に
食べたりしながらお話を伺うことから1つのリンゴが生きてきます。NVNADとし
ましては、こうした津軽の皆様の心のこもったご活動と連動していきたいと思い
ます。
 なお、現地では、通常に増して危険を察知し、管理する方法を検討しました。
数人で行くとのことですので、お一人は、常にラジオを聞いていて、緊急地震速
報をはじめ最新の情報をメンバーと被災された方々で共有しながら動くこと、村
の様子を現場で地図と照らし合わせて十分に把握し、現実に通行できる避難路を
確保しながら移動すること、そんなことを取り決めました。

(2)八戸市の皆様との連携
 地図でご確認頂ければと思いますが、野田村の北には久慈市があります。その
北は青森県八戸市です。八戸市災害ボランティアセンターでは、見事なボランティ
アコーディネートをされてきました。具体的には、津波被害のあった地域へのボ
ランティアは、きちんとコーディネートして、資材をもって、バスに乗ってもらっ
て、掃除を徹底してもらうという方針、しかし、それ以外の活動は、基本的にボ
ランティア(団体)の自主性に任せるという“コーディネート”でした。
 その結果、早くも津波被害のあった地域の掃除は終息に向かい、避難所等では、
地域の方々を中心に見守りが続くという状況になってきています。災害ボランティ
アセンターが、何でもかんでもコーディネートする必要はないという事例だと思
います。災害ボランティアセンターが全容を把握することと、被災された方々の
生活が少しでもよくなることとは、いつも完全に一致するわけではないと思いま
す。掃除のようなたくさんのボランティアさんが動くと進む活動は、きちんとコー
ディネートする。それ以外は、ボランティアさんにお任せする。それでいて、
“漏れた人、漏れた地域がないか”を常に見ておく。これでいいのだと思いまし
た。
 さて、八戸市災害ボランティアセンターでは、24日、掃除に使った資材を整理
しておられました。そして、お話を伺うと、南への支援(野田村)を考えたいと
のことでした。上で書きました津軽の動き、西宮からの動きが、八戸の皆様と連
動していくことは、安定した救援活動や今後の長期的な復興のためにもとても大
切だと思います。NVNADでは、引き続き、被災された方々に届くような、八戸の
皆様との連携を検討して参ります。

(3)西宮から野田村へ
 NVNADとしましては、「津軽衆有志野田村号」からの発信を受け、臨機応変に
できる限りのご支援をさせて頂きます。八戸の皆様との連携も深めて参ります。
と同時に、西宮からもバスや夜行列車の利用で現地にボランティアが入る事を急
ぎ検討しています。時間が経てば発つほど被災された方々の疲れが見えてきます。
西宮からボランティアの皆様に現地に行って頂く件につきましては、急ピッチで
段取りを整え、近々、ご案内いたしますので、その節はどうぞよろしくお願いい
たします。