学者の責任 山口二郎

原発事故は学問と学者の責任を問うている
多くの学者は電力会社と一緒になって
今回の地震、津波は想定外だったと言い訳している
しかし、それは嘘である
故高木仁三郎氏をはじめとして、原発の危険性について
学問的に指摘した学者もある程度存在した
にもかかわらず、主流派の学者はそうした議論を無視し
危機を想定しようとしなかっただけである

特定の業界の権益を擁護する政治家を族議員と言うが
学者にも族学者が存在する
原子力の世界はその典型である
彼らは真理の探究という学者の責任を捨て
特定業界の利益追求にお墨付きを与えてきた
近年の大学では、研究費をくれるスポンサーに尻尾を振るという
幇間体質が一層強まっている

事故の教訓は明確である
原発事故を契機に政官業学の鉄の四角形を解体すること
そのために、特定分野の政策を検討する審議会には
必ず異なった立場の専門家を入れて
実質的な議論をすることが不可欠である
民主党政権では、そうした人事にこそ
政治主導を発揮すべきである

学問は人々の役に立たなければならない
それは権力者や金持ちのヨイショをすることではない
逆に、そうした連中がいやがることを敢えて言うためにこそ
学問の自由が保障されているのだ

・・・・・・学問だけでなく、どんな職業も人々の社会の役に立つものです
今、命がけで危険な現場で仕事をしている人たちに比べて
学者、専門家は安全地帯で何をやっているのかな?と私も思います・・・・・・

<雪柳が咲きました>