家事労働は依然として男女格差が歴然=OECD調査

OECDでは、世界29カ国でアンケート調査を実施し、男女が無給労働に費やす時間を調べた。その結果、女性は男性よりも日常的な家事に費やす時間が著しく長いことが明らかになった。OECDは、これは女性の有給雇用への参加を阻害する要因となっている可能性があるとしている。
 欧州諸国で男性が家事に費やす時間が最も短かったのはイタリアとポルトガルで、いずれも1日2時間未満。また、インド、日本、韓国の男性が家事に費やす時間は1日1時間未満で、主に買い物や子どもの世話などだった。米国の男性が勤務時間以外に家事に費やす時間は1日約3時間で、ポーランドとほぼ同じだった。

 調査は1年かけて行われた。その結果、無給労働に費やす時間には男女で格差があることが歴然となった。女性は平均で1日2.5時間多く男性よりも無給労働をこなしていることが明らかになった。
 調査結果をまとめたOECDのエコノミスト、ベルル・ミランダ氏は「職場で男女平等を確立するには、家庭での労働平等化が必要だ」と述べた。
 OECDの調査によると、全体の一人当たり無給労働時間は3.5時間だった。

 ミランダ氏はまた、無給労働時間と有給労働時間はトレードオフ(二律背反)の関係にあると述べた。OECDの試算によると、無給労働を報酬に換算した場合、OECD加盟諸国の平均国内総生産(GDP)の3分の1に相当する。
 だがOECDは、家事への男性の参加率が低いからといって、必ずしも国全体の生産性が低いとは限らないと指摘している。調査によると、女性が家事に費やす時間は、男性の有給労働時間とある程度相関性があるという。 http://jp.wsj.com/Life-Style/node_221678

◆『図表でみる社会2011』発表/OECD
http://www.oecdtokyo.org/theme/social/2011/20110412sag.html