関東大震災の復興は公営住宅があれば公営食堂も、門前仲町の市設深川食堂と第二和泉湯

永代橋を渡って門前仲町駅へ向かって歩いていると、深川東京モダン館という建物がありました。案内看板によると、関東大震災の復興で整備された市設深川食堂の建物を保存活用したコミュニティ拠点です。関東大震災の復興では、住宅、橋、学校、公園、商業ビルとほんと様々な施設を整備していますが、食堂まであったんですね。住民に生活を供給することも行政の役目にすべきだという考えが強かった時代です。

門前仲町の南、古石場川のあたりには東京の市営住宅の草分け、大正11年にできた古石場住宅、調練橋公園の南側には同潤会の職工向け住宅越中島住宅などもあったのですが、どちらも残っている建物はないようです。
唯一当時の姿を伝える市設深川食堂は、丸い明かり窓があるユニークな建物で、当時はずいぶんモダンな建物だったと思いますが、文化的な生活をという当時の東京市の意気込みが伝わってきます。

門前仲町から木場のあたり、ほんとに水路が多く、水運が盛んだったことを思わせます。一番永代通りに近いのが大横川、川岸が桜の散策路になっていますが、水運に配慮したためでしょうか、大横川に架かる巴橋は高い位置にあり、そこからは第二和泉湯の建物全体がよく見えます。黄色く縁取られた伝統和風の建物です。
入り口は側面からになります。内装は新しくなっていますが、浴室の構造は高い湯気抜きのある昔からのもの。ヨットのモザイクタイルは緑や橙色の帆が鮮やかです。お湯はちょっと熱め。コーヒー牛乳を買うとおかみさんがふたを取って渡してくれました。休憩スペースの「自戒」という額、なかなか思い当たることが書いてあるので見入っていると、「いいこと書いてあるだろ、なかなかできないけどね。」と、爽やかな笑顔のおかみさんです。
第二和泉湯P 江東区牡丹二丁目4-6 15:00−22:30 土曜日お休み 越中島駅北10分、門前仲町駅南東5分