こんばんは!
昨日島田療育センターはちおうじでいただいた、小沢浩氏の著書『愛することからはじめよう〜小林提樹と島田療育園の歩み〜』(大月書店)の中には、沢山の印象深い場面や言葉がちりばめられています。
その中の一つは、昭和14年の出来事によって小林博士(島田療育園創設者で日本の重症身心障害児療育の礎を築いた医師)が、患者と医療中心の取り組みを「障害児とその家族」という視点の広がりを与えられた出来事が描かれている部分の文章です。
東北から上京して外来に来た3人の障害児とその親に対して、小林博士は、毎日一生懸命診察を続け、相談に乗りますが、結局何もできないまま一週間が過ぎ、その家族が東北に帰ってしまいます。その時、彼は自分自身と医学の無力さに打ちひしがれますが、それをきっかけに更に勉強に励みました。それからほどなくして、彼は一通の手紙を受け取ります。そこには、彼への感謝の言葉が綴られていただけでなく、その家族は一家心中するつもりだったこともかかれてあり、彼はその事実に大きなショックを受けました。
そして、彼は考えました。何がその一家を心中から救ったのか。何が一家の心中を阻止したのか。そうして思ったことは、一生懸命親身になってただ努力したこと、そのことがもしかしたら、無力ではあるが支えになりえたのかもしれないということでした。
「無力ではあったが「支え」になりえた」
この文章と出会って、私は、無力であることは恥じることでも悲観することでもないのだと慰められました。無力であっても、ただ努力する。それが、自分の知らないところで誰かの生きる支えとなる。
そう思うだけで、それは自分自身の支えともなることに気づきます。
だから、私も、無力であることに落胆せず、親身にその人の幸せを願って一生懸命取り組もう。
それだけで、いいのだ。はじめればいいだけなのだ。
そんな風に励まされています。
島田療育センターはちおうじ で出会った皆さん、本当にありがとうございました。
また明日も新しい出会いがありますように。
良い夢をみてくださいね。
おやすみなさい。
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