アサヒ・アート・フェスティバル2011グランドオープン報告

櫻ヶ岡中学校の中平です。18日土曜日、東京浅草のアサヒビールにて、アサヒ・アート・フェスティバル2011グランドオープン「大東北祭り」が行われ、参加して参りました。
今年は3月11日の大震災と原発事故の関係で、今までと異なる雰囲気でのスタートとなりましたが、有意義な時間を過ごすことができたように思います。

写真は、雨のスカイツリーとアサヒビール。

午後3時、ロビーへ行くと、すでに多くの人が集まって、きりこワークショップが始まっていました。見ると、会場には櫻ヶ岡中学校美術部員のきりこも展示されていました。美しく展示して下さって嬉しかったです。私も新たなきりこを制作。南三陸町の彩プロジェクトの方々とも再会でき、津波のお話など直接お聞きすることができました。きりこを作ることしかできませんでしたが、中学生の気持ちも直接届けることができて良かったです。このような機会を作って下さった方々に感謝します。

櫻中生の作ったきりこ。

グランドオープンの記者発表は今までにない緊迫した雰囲気の中行われました。南三陸町の彩プロジェクトの皆さんによる、津波被災の状況と現状の報告。たった5分で全ては無くなってしまったけれど、すでに新たな動きが始まっているという報告。それから福島県いわき市のアートプロジェクトをすすめていらっしゃる方々の報告。原発事故が起きて何もかもモチベーションが下がってしまい、逃げることしか考えなかった日常の中、アーティストたちが地元や子どもたちに元気を与えたという事例の報告。どれも心が揺れ動きました。

3.11後、確実に世の中の考え方は変わって行かざるを得ないでしょう。美術教育はどうでしょうか。今後も「個性が大事だ」「人と違った表現を」「自己表現だ」をキーワードにし続けていくのでしょうか。自由に空想し、自由に創造することは良いが、その先には、こういった人災と繋がっているところがあるような気がしてなりません。つまり、自由に何でも作ってみようの先が、危険であるとわかっていても作ってしまう人間の心に繋がっているとしたら・・・・。そこには、自由故の責任がともなわないといけないのでしょう。今まで私は美術教育独特の、美術教育固有の価値として「個性」「自由」「自己表現」を認めてきました。でも、今転換しなければいけない時だと思います。しかし、新しい美術教育のキーワードが残念ながら、今の私には浮かんきません。