フランスパンの店見学会

例年に比べ、早すぎる猛暑の中、藤左右衛門さんたちと、銀座、日本橋、八重洲のパン屋さん視察・試食ツアーを敢行しました。視察・試食といっても現在連載中のフランスのパンシリーズにちなみ、フランスパンを販売する店舗に絞って行ってみました。
 出だしは、銀座にあるダロワイヨ(Dalloyau)です。この店は、フランスでは、始まりがルイ王朝の時代に遡るとか。1700年にヴェルサイユ宮殿で、ルイ14世のお抱えパン職人だったダロワイヨが創設した店だと言うことです。銀座の店舗では、フランスの菓子などとともにパンが売られています。置かれているパンを見てすぐわかるのは、ていねいにつくられていることです。バゲットのクープなどを見ると本当にきれいに整っています。
 このあと、本来は、次々に店舗を視察すべきところですが、私たちは、この店の向かい側にあるライオンのビヤホールに突入しました。じっくりとこの日の予定を、ビールジョッキを片手にミーティングしました。その際に、注文したのがマルゲリータです(写真:千さん提供)。もちもちした食感でしたが、パリパリのピッツァの作り方など藤左右衛門さんからアドバイスがありました。
 ビアジョッキのお代わりをグッとこらえて次に向かったのは、木村屋総本店です。藤左右衛門さん推薦のこの店は、あんパンの元祖として有名ですが、フランスパンの売り場に行ってみました。フランスパンのため、灰分の多い小麦粉、焼き上げる窯がフランスからの輸入ということで、あんパンのイメージとは違います。私自身は、バゲットのレトロとレーズン入りの田舎パンを購入しました。胡桃入りのライ麦パンが試食用に置いてありましたので、これもしっかりと味見をしました。食感、香りとも素晴らしい味でした。
 その次に行ったのは、日本橋高島屋です。ここの売り場にフランスの有名なパン屋さんであるポワラーヌの田舎パン(パン・ド・カンパーニュ)が置いてあるからです。フランスから航空機で直輸入していて、毎週水曜日にはいるとか。ちょうどこの日が水曜日で、四分割したブールが売られていました。分割前のパンが、約6,800円とのことで、フランスのポワラーヌの販売価格と比べてビックリしました。しかし、パンの味わいは各段のものがあるので、わかるお客さんに当たり前なのかもしれません。

そして、最後に立ち寄ったのは、八重洲のPAULです。この店は、パリでは一番の人気店と聞いております。八重洲の店では、売り場・カフェ・作業場が一体として、運営されています。暑い中、歩き続けたので、この店のカフェで、冷たい飲み物を注文して一休みをしました。この店のいいところは、軽食の注文であっても、バスケットに入ったパンが出てくることです。しかも、お代わりしても、次々にパンが出てくることです。ガラス越しにパンを焼いているところなので、出てくるパンが同じものがないというのも驚きです。同じように見えて、フィーリングなどが少しずつ違っているのです。ですから、この店のパンの試食会をやっているような感じでした。私が一番気に入ったのは、白と黒のオリーブの実が入ったパン(Pain aux olives)でした。
 なお、私は、ほかに、フランスでは定番のレモンタルト(Tarte au citron)を注文しました。ちょっと上品な味でした。
 この店が本日の見学会の最後ですが、実は、この地域には多くのパン屋さんがあり、通りすがりで沢山の店に入りました。ですが、もう一度行きたいと思ったのこれらの店です。