フランスのパン(25)クロック・ムッシュ

ポワラーヌを出たところで、正午です。こちらの昼食時間はもっと遅いのですが、混まないうちにカフェに入ることとしました。行ったのは、サンジェルマン・デ・プレ教会の目の前の有名なレ・ドゥ・マゴです。
 このカフェは、かつて学者、文豪、芸術家などが常連客となり、とりわけ、サルトル、ボーヴォワール、ピカソ、ヘミングウェイなど数々の文化人が毎日のように通い詰めたと言われています。そこで私たちも文豪気分を味わおうというわけです。
 ちなみに、ドゥは2つ(deux)で、マゴは人形(magots)ということです。実は店の中の柱に、2体の中国人の像が飾られています。この人形は、かつてこの店が中国人の経営する商店で、建物を引き継いだ現在のカフェの経営者がそのまま柱の飾りと店名にも残しているのだということです。

お腹の空いていた私は、白ワイン、トマト・バジル・モッツァレラのサラダとクロック・ムッシュを注文しました。クロックムッシュは、フランスで始まったトーストの方法です。パンにハムとチーズを載せ、フライパンで軽く焼いたものです。これに目玉焼きを載せるとクロックマダムと言われますが、ここのメニューにもありました。
 日本でも同じようなクロックムッシュを出す店がありますが、食べてみると、チーズの香ばしさが違いますね。満足です。