新潟県の刈羽・小千谷を訪問(7月17日〜18日)

福島からの県外避難者を多数受け入れてこられた刈羽村と小千
谷市を訪問しました。刈羽村では、社会福祉協議会の廣川会長
や職員の佐藤葉子様のお世話になり、2ヶ所の避難所を視察さ
せていただきました。最初に伺った刈羽村老人福祉センターには、
南相馬市や富岡町からの避難者が入っておられますが、お茶を
飲みながらいろいろとお話をうかがうことができました。県外に避
難しているため、情報がなかなか入ってこないことを気にしておら
れましたが、少し前から新聞「福島民報」が1日遅れで届くようになり、地元のニュースや情報を目にできることで幾分気持ちが楽になったとおっしゃっている方もいらっしゃいました。このセンターへの避難者数はかなり減ってはきていますが、仮設住宅の抽選に何度も落選した方やペット持ち込み可の住居探しに困っておられる方もいらっしゃり、今後の生活への不安を口にされていました。そのような状況下ではありますが、皆
さん快く迎えてくださり、笑顔を交えながらいろいろお話くださったのが印象的でした。

午後には別の避難所、荒木屋旅館を訪問しました。こちらには家族
連れを中心に7世帯23人が避難しておられました。いくつかの部屋
を訪問させていただきましたが、その1部屋に赤ちゃんがいました。
5月に新潟県長岡市の病院で生れた生後2ヶ月の赤ちゃんです。
福島でお隣だった方が同じ避難所にいらっしゃり、お風呂に入れて
くださったりするとうかがいました。かわいい笑顔が、避難所の癒し
になっているように感じられました。

翌18日は、小千谷市の地域復興支援員・小川様に案内していただき、避難してこられた方が入居されている寮などをまわらせていただきました。小千谷市は、福島から避難してこられた方々が避難所に入る前に、まずご家庭での受け入れ“民泊”という画期的なことを実施された市です。小千谷市民に対し、受け入れ可能な世帯を募集したところ、避難者数を大幅に上回る1,200名の受け入れ準備ができたそうです。民泊を体験された方々からは、手作りの食事、温かいお風呂・・・そして何より小千谷の方々の温かい気持ちに触れることができ、小千谷に避難することができて良かった!との感想を多数お聞きしました。

三洋電機の寮では、入居されている方々にお集まりいただき、お話
をうかがうことができましたが、まだ仮設住宅が当たらないので、た
だただ当たることを待っているとおっしゃる方もいらっしゃいました。
南相馬市は市内に20キロ圏内のエリアがあるため、仮設を建設で
きる土地が限られ、思うように進んでいない状況のようです。こちら
でも、仮設住宅の入居募集をはじめ、情報がなかなか入ってこない
ことを心配されていました。 次に伺った越後製菓の寮では、まず
はじめに、暑い中、寮周辺の草刈りを黙々とされている方の姿が目
に飛び込んできました。この寮に避難されている方々とのことです
が、自発的にこのような作業を度々行っていらっしゃることを小川様からうかがいました。また、寮内では、内職を一生懸命されている方にも出会うことができました。当日拝見したのは、車などに付ける吸盤付の鏡餅用のケースを組み立てる作業でした。「次の生活に向けて少額でもおこづかいを貯められたら」と作業に勤しんでおられました。また、ある部屋では、ご高齢の方が集まって編み物をされていました。中には男性もいらっしゃり、この寮に入って、生れて初めて編み物をするようになったとおっしゃっていました。また笑顔が素敵な90歳のおばあちゃまにもお会いすることができました。写真は小千谷に避難してこられた方々をずっと支援しておられるボランティアの谷口様と80歳台のご夫婦です。谷口様は、ご高齢の方々に買い物や運転ボランティアをされたり、時にはおかずを作っていかれたり、おひとりおひとりを大切に、極めの細かい支援をされている大変魅力的な方です!1日ご一緒させていただいただけでも、そのお心
のこもった活動の様子が伝わってまいりました。写真のご夫婦はあと1週間程で寮を出る予定になっており、今から谷口様とのお別れを悲しんでおられる様子でした。
この他にも、雇用促進住宅に入っておられる方を訪問させていただいたり、福島から避難しておられる方々と直接お話できる機会をたくさんいただきました。小川様、谷口様、そして入居者の皆様、本当にありがとうございました。

ブログには一部しかご報告できていませんが、今回の訪問は今後の支援を考えていくうえでも大変参考になるものでした。