刈羽村から元生活相談支援員が来村(9月17日-19日)

野田村では、生活支援相談員が4名雇用されました。現在、最初の研修を受講されたところとのことです。NVNADでは、2007年の中越沖地震で被害に遭われ、仮設住宅の支援を展開された経験のある新潟県刈羽村社会福祉協議会から、元生活支援相談員で豊富な経験をお持ちの安沢めぐみさん(現在、社会福祉協議会職員)と、災害ボランティアセンターに中心的に関わりその後も地域福祉業務などを通して、地域の方々と深く接してこられている佐藤葉子さんを野田村にお迎えしました。NVNADでは、中越沖地震から4年以上にわたり、刈羽村社会福祉協議会をはじめ刈羽村の皆様と交流をさせて頂いて参りました。東日本大震災では、福島県から刈羽村に避難されてこられた方々への支援でも、お世話になりました。実は、生活支援相談員ということでは、被災された方々の立場に立った見事な活動を展開された刈羽村のこのお二人に、かねてより、野田村への訪問をお願いしており、今回、タイミング良く実現した次第です。
野田村に到着されると、早速、NVNADのボランティアさんが活動している野田中学校仮設住宅集会所を訪問されました。お二人が集会所に到着されるやいなや、住民の皆さんと立ち話が始まり、1分と経たないうちに、もうまるで昔からの知り合いであったかのように、住民の皆さんは笑顔に包まれ、明るい声が聞こえてきました。瞬間的に話に花を咲かせ、場を一気に和ませてくださるお二人の「プロの姿」に圧倒されました。

翌18日は、朝10時から野田村災害ボランティアセンターで、新規雇用された生活支援員の皆様との交流会が始まりました。野田村社協の職員さんと一緒にNVNADスタッフも出席し、刈羽村での経験を一緒に学びました。安沢さんは、「生活支援相談員の活動内容」という7ページにわたるレジュメをご準備下さり、当時の写真を回覧しながら、レジュメに沿って丁寧に説明をされました。まず、中越沖地震の際の支援の流れを5つの時期に分け、各時期ごとに仮設住宅での支援活動、地域での支援活動を紹介されました。孤独死ゼロを目指すのは当然であること、支援員は回答を出すのではないこと、仮設住宅にお住まいではない地域の皆さんに注目すること、そして、仮設からの退去後をも視野に入れた活動を展開することなど多くのことが共有されました。続いて、各場面別に、支援の注意点を話していただきました。例えば、個別に訪問する時に何に注意すれば良いか、集会所を利用してどんなことができるか、など豊富な具体例とともに説明して下さいました。最後に、仮設生活の工夫点として、風除室、暑さ、結露、すきま、などなど細やかな心配りの行き届いたご経験を共有して下さいました。そして、支援者側が抱え込みすぎないように、支援員間のコミュニケーションが重要であるという言葉で約1時間の説明を終えられました。その後は、質疑応答となり、5箇所に別れている仮設住宅をどのように訪問していくのが良いか、支援を特に必要としないと思われる人も対象になるのか、地域へ戻った場合も訪問したのか、訪問後の記録はどのように活用していくのか、カビ対策をどうするか、など実践的な質問が出され、佐藤さんも社協職員の立場から加わって、当時の様子や気づいたことなどを次から次へと話してくださいました。もちろん、1回の交流ですべてが伝わるわけでもありません。そこで、NVNADとしましても、今後とも継続的な交流が進むことを願っておりましたところ、野田村での活動で何か疑問を感じたら、どんな小さな事でも電話やメールで質問してくれたら、必ず対応するという力強いメッセージが出され、交流会は終了しました。2時間の予定が少し超過しましたが、大変意義深い場となったと感じました。

今回の刈羽村からの訪問に際し、実は嬉しいプレゼントがありました。刈羽村の農家の方々から新米が届けられました。また、手作りの菜箸もお持ちくださいました。お米は、2kgずつ分けられ、配布しやすいようにしてくださいました。お米のパックと菜箸の袋には、刈羽村から野田村へのメッセージが書かれていました。交流会後、いつもお世話になっている中学校仮設住宅以外の仮設住宅に、安沢さんと佐藤さんを中心として、NVNADのボランティアさんとともに配布させていただきました。お米も菜箸も大変喜んで頂きました。安沢さんと佐藤さんは、訪問する先々で、あっという間に困っておられることを聞き、その対応策を伝授されていました。プロの技に圧倒される一日でした。
その後、NVNADスタッフは、お二人の印象を聴かせて頂くとともに、ボランティアによる戸別訪問の結果をどのように集約して、今後の見守り活動に活かしていくかなど、さらに色々と教えて頂きました。19日、2泊3日の滞在を終えられ、新幹線で長岡経由刈羽村へと戻られました。安沢さん、佐藤さん、そして、刈羽村の皆様、本当にありがとうございました。