チョコリンガーズ・ライブ終了! ムビラはやっぱりすごかった・・・

少し早めに会場をのぞくと、ベビーカーの赤ちゃんからご年配まで、
本当にいろんな世代の人が、会場のホールで開演を待っていた。

これこれ、これが狭山池博物館のいいところ!!
いろんな世代の人が来て、思い思いに過ごす。
私はこの光景がとっても好きだ。

いよいよライブが始まった。
心地のいい、鉄をはじくオルゴールのような音色に、
ジリビリという共振装置のノイズがまざり、独特の空気がホールを満たす。
音と音のパズルを組むように、二人は演奏を作ってゆく。

3曲目からは、ボウル状の共鳴装置をとりつける。
ボウルの中にムビラの音色が反響して、音が大きくなった。
この共鳴装置、大きなかんぴょう(!)の底の部分の
中身をくりぬいて干して作るそうだ。
遠くアフリカに、直径40センチは越すであろう
かんぴょうがみどみどと横たわっている光景に思いはせる。

狭山池博物館でのムビラライブは2度目だが、私は今回のライブを聴いて、
ずいぶんとこの楽器に対する印象が変わってしまった。

前回は、きれいな、優しい音楽の印象が強くて、共振装置の音はそんなに
記憶に残っていない。ふわっとした、耳障りのよい音楽だと思っていた。

ところが、今回の演奏はまったく印象が異なっていた
音色はもちろん優しいけれど、演奏はアグレッシブだ。共振装置の音も
かなり聞こえてくる。
わかりやすく言うとあれだ、タンバリンの上で演奏してるのかと思うほどだ。

5分ほど聴いていると、博物館に居ることを忘れてしまった。
10分ほどすると、音楽を聴いていることを忘れてしまった。
まるで空気と音楽が入れ替わったような・・ムビラはつくづく不思議な楽器だ。

演奏に続いてお二人の師匠シンボッティ師とその家族の話。
一夫多妻制のジンバブエにおいて一夫一婦を貫く師
(そんな人もいるんだ・・・)
ライブをやらず、もっぱら祭祀用にしか演奏しない、硬派な師。
そのわりには外国人に指導する。かたいんだか、どうなんだか、

彼らは師匠の家に泊まりこみ、
一緒に生活しながらムビラを教わるそうだ。
そんな彼らでさえ正式な儀式は見たことがないという。
儀式は相談事、病気などの人の弱いところに関わることだから、
いくら愛弟子とはいえ、簡単には参加できないのかもしれない。
また、こういった伝統的な祭祀は過去のものになりつつあるようだとも
二人は言う。 
それでも彼らは、その先があるのかどうか、わからないけど、
教えを請いに通いつづけているそうだ。

ムビラに楽譜はない。
見て、聞いて、横で奏でて、繰り返しそうやって覚える。

「とにかくジンバブエのことを知ってもらえるだけでうれしい」(石村さん)
遠くジンバブエには、ムビラ以外にも彼らをひきつけてやまない何かがあるようだ。

最後の曲は、昨年のムビラのライブに出演され、
今回チョコリンガーズを招いた保田さんも加わってのセッションで終了となった。

終演後。明かりが点いても、お客さんはなかなか引かない。
私も去りがたく、ごく自然にみんなが演者と楽器の元に集まり、
交流会のようなものが始まった。
これも不思議であった。
でも、狭山池博物館らしいと思った。

最後に保田さんが、
毎年一回ぐらいはここでムビラの演奏会を開けたら。と言っていた。
大賛成!!また来年ここで同じように案内ができることを、
心から楽しみにしている。

永田さん、石村さん、保田さん、素敵な演奏をありがとうございました。

【狭山池博物館では、フレッシュコンサートに出演したい人を募集しています。
 お気軽に左記メールアドレスまでお問い合わせください。】

いしとも