さくらびレポート269〜3学年必修授業「誰でもピカソ」・・・全2時間の授業

櫻ヶ岡中学校の中平です。今日は、現在行っている3学年必修授業題材「誰でもピカソ」の報告をしたいと思います。

ピカソは、多くの日本人が知っている芸術家。でも、一番誤解されている画家かもしれません。3年の卒業制作前に、扱っておきたい画家、それがピカソです。また、3年生ならば自分の人生に置き換えて、「なぜピカソは女性ばかりキュビスムで描いたのか」という課題にも自分なりの答えを見出せると思ったからです。

全2時間で行う授業です。

まず第1時間目。ピカソの絵を12枚並べ、13歳から88歳まで、年齢順に並べるクイズをします。正解を知ると生徒は、驚きを隠せません。この一時間で、少しだけピカソが「単なるめちゃくちゃな絵を描いていたのではなさそうだ」「何か理由があるかもしれない」という考えにたどり着きます。

そして、2時間目。実習編。

1年生の時に行った「モナリザでマネリザ」をもう一度やってみます。透明下敷きを使って方目を閉じ、友達をトレースします。これが3次元の絵画表現。ルネサンス時代の大発明。

次に、ピカソが行ったキュビスム風下敷きトレース描法。友達を色々な角度や距離から様々なパーツなどを組み合わせて描きます。下敷き上でのコラージュ。

透明下敷きの上には、重なった顔や身体の部分が描き出されます。

これをやってみての感想を生徒に聞くと、
「ピカソは、動かない絵に満足できなかったのではないか。だからこういうかきかたをしたんじゃないか」
「彼女が好きでたまらなかったから、色々な角度の彼女を全部描こうとしたんじゃないのか」

生徒の意見に私も同感です。決して芸術の進歩のためにキュビスムを発明したのではなく、ただ単に女性が好きだったからなのではないか、そう考えました。

まあ、どういう感想を持ったとしても、レオナルドダビンチから続く世の中の見方の発展は、ピカソから現代のアニメーションにまで繋がっている。そこを3年生には実感してほしいものです。