マイコプラズマという細菌による肺炎が、ことし、子どもを中心に流行していますが、これまで効くとされていた薬が効かない「耐性菌」が多いことが分かり、専門家は、症状が長引いて重症化するおそれがあるとして、注意を呼びかけています。
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマという細菌が原因で起こる肺炎で、発熱や全身がだるくなるなどの症状が出るとともに、せきが長く続くのが特徴です。
国立感染症研究所によりますと、ことしは、全国の450余りの医療機関から報告される患者数が、今月6日までの累計で1万1919人と、この時期としては過去10年間で最も多くなっています。
年齢別では、0歳から4歳が37%、5歳から9歳が30%、10歳から14歳が15%で、0歳から14歳までの子どもが全体の80%以上を占めています。
マイコプラズマは、これまで、「マクロライド系」の抗生物質が効くとされ、医療現場で最初に選ぶ薬として使われてきました。
東京・足立区にある総合病院でも、マイコプラズマ肺炎で入院する患者が8月から一気に増え、ことしに入ってからの入院患者は合わせて80人と、例年の3倍に上っています。
今、問題となっているのが特効薬が効かない耐性菌に感染した患者が多いことです。
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/101395.html#more
マイコプラズマ肺炎の症状は多くの場合、せき、発熱、頭痛、倦怠(けんたい)感などがおこります。たんの出ない乾いたせきが激しく、しかも長く続くため、胸や背中の筋肉が痛くなることも珍しくありません。38度以上の高熱も伴いますが重症化することはあまりなく、“普通とは違う肺炎”という意味で「非定型肺炎」とも呼ばれます。
マイコプラズマ肺炎は、せきで飛び散った飛沫を吸い込んで学校や家庭内に感染が広がりますが、インフルエンザのような広い地域での流行ではなく、狭い地域・集団での流行が散発的に発生するのが一つの特徴です。
子どもが学校などからマイコプラズマを持ち帰ると、1〜3週間の潜伏期間を経て、家族に感染することがよくあります。予防接種はなく、決定的な予防法はありません。家庭ではマスクやうがい、手洗い、患者の使うタオルやコップを使わないなど、普通のかぜと同じような予防法を心がけるのがよいでしょう。
http://health.goo.ne.jp/karadagoo/20111117.html
◆マイコプラズマ肺炎とは/東京都
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/mycoplasma/index.html
◆国立感染症情報センター
http://idsc.nih.go.jp/disease/mycoplasmal/index.html