たぶんかフリースクールでも本格的に受検の準備がはじまっていますが、
日本中の中学校も、おなじように受検シーズン真っただ中です。

フリースクールの夜のクラスに通っている生徒は、
受検の際に通っている中学校から「内申書」が提出されます。
そこには教科の評価とともに、様々なことが書かれます。

生徒のひとりが、休み時間に学校から保護者へ配られたプリントを持ってきました。
保護者も日本語の読み書きが難しいため、かわりに書いてほしいとのこと。
そこには「内申書に書いてほしい事柄を記入してください」とありました。
そこで彼女に「中学校でがんばったことは何ですかということだよ」と言うと、
「なにもない」とのこと。
「部活もしてないし、委員にもなってないし、成績も悪いし、褒められたことないよ」、と。

でも彼女は、来日1年でほとんど会話には不自由しないほどに日本語が上達し、
クラスにも日本人の友達がたくさんいて、好きなアイドルの話で盛り上がるそうです。
初めて勉強する漢字に苦戦していますが、きれいな字が書けるようになってきました。

部活や委員や清掃活動や習い事やスポーツなど、クラスの子と同じ「がんばったこと」でなくとも、
彼女にとっては日本語で生活し勉強し人間関係を築く、そのことが立派な「がんばったこと」です。

私が5つまで記入できる用紙の5つめまですべて彼女の「がんばったこと」で埋めると、
「そんなに書かなくていいよ」と照れて笑っていました。
私自身も受検が近づいた最近は「勉強、勉強」ばかりで、
「がんばっていること」を褒めることを忘れていたなぁと反省した一件でした。