さくらびレポート329〜彫る→磨く→彫る:触ると気持ちいい石鹸4時間目

櫻ヶ岡中学校の中平です。1学年必修授業「触ると気持ちいい石鹸」。5時間中の4時間目です。本時は、次回思いっきり磨く時間にしたいので、今日は彫ったり磨いたり、また彫ったり磨いたりと、繰り返すことに重点を置きました。

彫る道具も彫刻刀や串などいろいろなものを工夫して使っています。フォークやドライバーを使っている生徒もいました。

自分の作りたいものをイメージすると、自然にそれを実現するため、道具や作り方を工夫します。それが「創造的な技能」なのではないでしょうか。単に彫刻刀の使い方を知っているのであれは、それは単なる「技能」だと思います。どういうときに、適した使い方で主体的に工夫して使う、それが創造的な技能なんだと思います。

シャツのハギレで磨いています。10分磨くだけでもかなり光ってきます。光ってくると、石鹸が石鹸に見えず、別の物質に見えてくるから不思議です。その別の物質への変身の瞬間を、多くの生徒に味わって欲しいのです。

ここまで達しないと彫刻のおもしろさは味わえないのではないでしょうか。単に立体的とか動きを表現している、というだけでは、別の材料を使った場合に応用がきかないと思います。粘土、木材、金属、廃材・・・何を材料とした場合も、同じです。材料が表現したいテーマより主張してはいけないのではないでしょうか。逆に素材感を生かす方法もあるとは思いますが、そこが「基礎基本」と呼ばれる内容なのではないかとも思います。

創造的な技能も、発想構想の能力も、結局は、自分が「やってみたい」と思うような意欲やモチベーションが裏づけになっていなければ、力は発揮されない。それが重要なことです。