八尾の発展企業〜その秘訣は『絶対信頼』にあり!〜

先日、八尾の倫理法人会の仲間・

株式会社SKOさん

「企業取材」に行ってきましたぁ〜(^0^)☆

今回お話しを伺ったのは、私と同じ歳で、

数年前に社長になられた中川さんと、

常務取締役の松村さん。

株式会社SKOさんは、1970年に、現・社長のお父様が創業。

以来、ジッパー(ファスナー。服飾業界以外のもの)や

副資材の製造販売をされている

八尾のものづくり企業です。

日本のファスナーといえば、

超大手「YKK」が有名ですが、

先代社長が「日本のファスナー業界は大きい。

YKKがほぼ独占状態だが、

そこには出来ないファスナーがあるはずや!」と

立ち上げられました。

今では、ぶっちぎりのYKKさんに続く

日本第2位のシェアを占められています。

お話しを伺えば伺うほど、3つのことを感じました。

まず「①先代社長で会長(創業者)の素晴らしさ」です。

私は、先代社長の中川さんともお話をしたことがあるのですが、

とにかく「すてきなおじさま」!

「経営者」以前に、「人」として、後光が差しておられ、

人間的な魅力であふれた方です。

創業前は、薬売りの営業をされてたそうなんですが、

とにもかくにも競争が激しく、

「競争が少なく、堅実に儲かることはないか?」と

ジッパーに目をつけられます。

大手に作れない製品づくり、短納期など・・・

様々な強みを活かして、現在も前年比

102〜104%を維持されておられます。

このゆるやかな成長もとてもいいなと感じました。

もう5年くらい前になりますが、

「かんてんぱぱ」で有名な、

伊那食品工業株式会社

たまたま観光でふらーっと寄って、

そしてそこで代表取締役会長であられます

堀越寛氏の「いい会社を作りましょう」という

著書本を読みました。

その中に、「会社はちょっとずつ成長するのが良い」と

書かれていて、

当時、めちゃくちゃ衝撃を受けました。

要は、「どれだけ短時間にがっぽり儲けるか?」ではなくって

「どれだけ長く会社を継続させるか?」なんだそうです。

長い分、お客さん・取引先さん・社員さんなど、

取り巻く多くの人たちをたくさん幸せに出来るからです。

当時は、ライブドアのホリエモンなどが登場していて、

いかに会社を早くどんどん大きくさせるか?

ガンガン儲けるのか?・・・

そんな世相でしたので、

「スピードが大事やと思うのに、ゆっくりって何で!?」

って思っていましたが、それ以降、

会社はゆっくり大きくするのがベストだと

思うようになりました。

人間の成長も、生物の成長もそうですが、

命が長い生き物ほど、成長が遅いんです。

命が短い動物程、心臓の鼓動のスピードが速いそうです。

(それだけ、ちょこちょこと動き回るということです)

また、私は大学時代、京都で「環境デザイン」を勉強していて、

公園や庭園、町中に必要な植物のことも学んでいましたが、

ヒマワリやアサガオのような、成長の早いものは、半年くらいで

(種を残してですが)死んでしまいます。

一方、神社の神木でよく見る「クスノキ」などは、

樹齢1000年を超えるものも現存しています。

ただ「クスノキ」は成長が遅いので、

街路樹とかには向いていないようです。

また、桜では「ソメイヨシノ」が有名ですが、

この桜も寿命が70年くらいしかないそうです。

が、成長は他の桜よりも早いとのことです。

私は、植物も人間も同じ「生物」なので、

基本的なことは同じだと思っています。

ですので、低くても、着実&謙虚に努力し、成長している会社は

震災などの想定外の苦難が到来しても

どーん!と下がり続け、崩壊することはないかと思います。

先代社長は、中川社長に・・・

「主役・ナンバーワンを目指すとたちまち『出る杭は打たれる』。

だから『目立つな』」と言われ続けているそうです。

二代目社長の息子さんは私と同じ歳。

今の時代には珍しい、大変貴重な『イケメン肉食系男子』で、

バイタリティーや向上心に溢れ、ステキなおにいさんです。

ですので若いし、ブイブイ☆目立ちたいお年頃なのですが(笑)、

父親の教えをきちっと守り、堅実な経営道を着実に歩んでおられます。

もしかしたら、まだまだ社長業としては経験の浅い、

中川社長だからこそ、そんな成長率の方が、いいかも知れませんね。

イキナリ前年比400%とかなると、想定外のこと、たくさん起こってしまい、

結局全部アウトになってしまう可能性もありますからね。

また、中川社長のお姉さんも事務職で働いており、

姉婿の松村さん(どうやら会長が引き合わされたようです♪)は現在、

常務取締役として、社長の右腕として絶対的なサポートをしておられます。

松村さんは中川社長とは明らかに違う性格で、

年齢も上ということもあり、落ち着いておられ、穏和。

ヨン様似のステキなおにいさんです。

父親は息子の性格を十分分かってはるから、

そう言い続けてはるんでしょうし、

松村さんという方をサポートにつけたのかも知れませんね。

ほんと、お父様は自らの「欲」や「怠慢」という『煩悩』一切無しに、

自分の会社や後継者の強み・弱みを

的確に捉え、的確に問題解決されておられ、

「みんなのために会社を継続発展させたい!」という熱いハートと、

「じゃー、どないしたらええねん?」というクールな頭を

両方フルにお持ちでおられる、大変ステキな方だと感じました。

そして2つ目の素晴らしさは・・・

②『絶対信頼』(どんなことがあっても絶対に信頼し通す)です。

八尾の町工場でも、あっちこっちで「後継者がいない」とか

「後継者として期待してた息子が継げない、継げる器がない」など、

後継者問題が起こっています。

松村さんもおっしゃっておられましたが、

とにかく、中川さんご一家は一般の八尾の家庭にはない

強い絆のある家族なんだそうです。

中川社長曰く・・・

「『創業者である父親は、絶対に追い越せない。』

最近、それが分かりました。

ゼロからここまでした父親に、僕がかなうはずがない。

だけど、つい最近までは「父親を追い越してやる」って

思っていました。それは間違っていました。

だから僕は、父親の流れをそのまま引き継ぎたいと考えています。」

・・・私は過去、いろんな会社さんに取材に行きましたが、

こんなにも信頼し合っている親子(先代社長と後継者)を

みた事がありません。思わず、ウルっと来ました。。。

そもそも、この『絶対信頼』がないと、

会社って、継続・発展出来ないのではないか?と

真剣に思うようになりました。

先代社長と後継者との絶対信頼

社長と社員との絶対信頼

会社とお客様・取引先・地域との絶対信頼・・・など。

更に、思いついたことがあります。

日本古来から続く「稽古ごと」には、

「守」(しゅ)・「破」(は)・「離」(り)という

3つの修行の段階があると言われています。

「守」とは、師に教えられたことを正しく守りつつ修行し、

それをしっかりと身につけることを言い、

「破」とは、師に教えられしっかり身につけたことを

自らの特性に合うように修行し、自らの境地を見つけることを言います。

そして「離」とは、それらの段階を通過し、何物にもとらわれない境地を言います。

(修行をする上で、心・技・気の進むべき各段階を示した教えといえるようです)

中川社長のように、父親との「絶対信頼」が生まれると

(=対立していた・バラバラだった心が合一すると)

そして、先代の流れを素直に継承して行こうという、『守』の想いが現れる。

しばらく『守』の時代が続くと、いろんな外部環境や内部環境が変わり

(例えば、創業者の死など)、次に『破』時代が来る。

父親の流れを基盤としつつ、どのように会社を発展させるのか?

あの大震災が起こった後のように

ガラッと変えないと行けない時期(苦難)が来る。

『破』の時代を乗り越え、落ち着くと次に来るのは『離』の時代。

自分らしい確固たる経営道をいよいよ極める時期。

先代社長とはまた違う道かと思います。

と同時に、三代目社長を育成し、次の世代にバトンを渡す時期

(経営者の『後始末』)が来る。

やはり、会社経営というものも、『経営道』という

華道や茶道のように、『道』がついているだけあり、

日本古来の「稽古ごと」と基本的なことは同じ

(見た目・やっていることは違いますが)なんだと思いました。

最後に感じたことは・・・

③「ナンバー2でも何でも、継続・発展出来ればいい」

ということです。

「何か(「業界」など)ナンバーワンになりたい!」と思うのは、

経営者の「欲」なのかも知れません。

その目標により、周りの人たちが不幸になって行けば

それは「わるい欲」。

幸せになっていけば「いい欲」のようです。

企業の絶対的使命・社会的使命とは、

(先述いたしましたが)

そのようなこととは少し違って、『企業を継続させる』

ことなのではないでしょうか?

ナンバー2でも生き残っていければ、いいのではないでしょうか?

社員さんにとって、ナンバーワンでもナンバー2でも

雇用と給料がしっかりと確保されれば、いい訳ですしね(笑)。

社員さんのため、お客様のため、地域のためにと

せっせとがんばっていて、結果としてナンバーワンに

なっているのがベストのような気もいたします。

そもそも、中小零細企業は、

「ナンバーワン」ではなくて「オンリーワン」でないと

生き残っていけない『生き物』だとも思います。

ナンバーワンになろうとすると競争が激しい。

体力(資金力や会社規模)勝負になりますので。。。

地球上の生物は、大も中も小もいる。

多様性がある。

いろんな生物・いろんな人間がいるから世の中がうまく回っていく。

必要であれば大きくもなるし、必要でなければ小さくもなる。

自分たちの想いと社会の想いが合致(合一)した時に、

大きく(生成・発展)していく。

自分たちが社会に必要とされたい(売上利益を上げたい)と、

いろんな人・会社から

『キミたち(の会社)とご縁を繋ぎたい(取引したい)』と

言わしめるようにならなければならないな…と。

私の場合、いろいろ考えることがあり、

自身の会社の売上利益を上げて、

規模拡大をしたいと思わないから、永久に大きくならない。

また、大きくしたいと強く願っても、社会に役立つ・

誰かの為になることをしていなければ

永久に大きくなることもない。

やっぱり、世の中の摂理・真理って

フクザツなようで、実は至極シンプルです。

フクザツにしているのは、

きっと人間の「煩悩(わるい欲)」なんでしょう。

そんなかんだで、かなり長文になってしまいましたが、

本当に素晴らしい気付きを頂きました、

SKOさんの取材でした。

中川さん、松村さん・・・倫理の先輩方、

ありがとうございましたぁ〜(^0^)☆