子どもの見える行動・見えない行動 菅野純より その2

いじめ関係の中で「思いやり」という言葉を持ち出して
子どもたちに言って聞かせること自体が
何だかむなしい行為に思えてくる

「思いやり」という言葉が子どもたちの心に
容易に届いていかない感じなのである
まるで遠い異国の言葉のようにしか子ども達の心に響いていかない
なぜだろうか

子どもの心のなかに他人を思いやる心が育つためには
3つの条件がある

第1は「人から思いやられた経験がたくさんあること」である
私たちがある行動を身につけるためには、自分がされる側に立って
その行動の良さを経験していないと自分のものになっていかない

第2は「思いやりのモデルが身近にあること」である
思いやりの光景をたくさん目撃していることである
そうした光景をモデルとして子どもは思いやりの心を
どのような言葉や行為で人に伝えていくかを身につけていくのである

第3は「心にゆとりがあること」である
自分の心が周りの人からの愛情で満たされ
安心して家庭生活を送ることができ、充実感や達成感を体験してはじめて
人は心にゆとりを持つ事ができる
他人を思いやるエネルギーを持てるのである

<アネモネが咲いていました>