☆(*^_^*)☆「日本一ヘタな歌手」濱田朝美さんとの出会い

もう日付が変わってしまったけれど、2月25日の出会いを書き留めておきたくて、パソコンの前に座っています。

2月25日、土曜日。東京の多摩は雨が降ったり止んだりの一日でした。

日頃お世話になっているNさんが所属する70代の男性4人のコーラスグループ、多摩ダンディーズの演奏を聴きくために向かった、多摩市総合福祉センター。

10時半の時点で既に会場には大勢の方がつめかけていました。それは今日から水曜日までの5日間、「ボランティアまつり」という大きな催しが開かれていたからです。

多摩ダンディーズさんの出番は、10時45分からの30分間。「愛燦々」「希望」「雨の御堂筋」など、Nさんのウクレレ伴奏で次々と演奏され、選曲もアレンジも、曲と曲の間に短く語られるMCも、どれも見事なものでした。

さすが50年以上もコーラスの経験のある男性四人からなるグループ!!ダンディ—な男性の、ダークダックスのようなハーモニーに、こころ癒され、ゆとりあるステージ展開と聴く方へのおもいやりに満ちた選曲とセンスはぜひお手本にしたい、と敬服の至りでした。

その多摩ダンディーズさんの演奏の後はすぐに帰るつもりでしたが、プログラムに目を落とすと、なんとの次の方は「身体の障害と言語障害を乗り越えて、紅白歌合戦出場を目指して路上ライブを続けている女性」というような内容が書いてあるではありませんか。

「紅白歌合戦出場」を堂々と目標に掲げている人がここにもいる!!

なんだか嬉しくなって、その女性のステージも見ることにしました。

車椅子で登場した「その女性」濱田朝美さんは、宮崎県出身の30歳の女性です。原因不明の難病のために身体が日々動かなくなるという状況の中、言語障害と闘いながら、路上ライブを続けている方でした。

「日本一ヘタな歌手」と大きく書かれたたすきを斜めにかけての登場に、お茶目な印象をうけたのはつかの間、後で同名の『日本一ヘタな歌手』という本を読んでみて、その過酷なこれまでの歩みとそれを乗り越えてきた彼女の根性と並々ならぬ紅白出場への想いに、圧倒されてしまいました。

濱田さんにとって紅白歌合戦出場は、ガンで亡くなったお母さんとの約束です。この夢が彼女の生き甲斐であり生きる力そのものでした。命がけで歌に情熱を注いでいる濱田さんの姿には、人を癒し、人を励ます力がありました。

故郷宮崎の方言で歌う曲やオリジナル曲、演歌まで、力を振り絞って歌うその声と姿に、目頭が熱くなるだけでなく、魂が震えるような感動を覚えました。30分間はあっという間に過ぎました。

朝美さんは「日本一ヘタな歌手」と書かれた赤い縁取りのタスキを斜めにかけて力強く歌っています。この言葉は、大阪まで出かけて行なった路上ライブの際に、ようやくお客さんが立ち止まってくれて、演奏できたときの、お客さんから掛けてもらった温かい言葉の一つだったようでした。

その時のことがこんな風に書かれています。(『日本一ヘタな歌手』148ページ)

「あんたヘタやけどおもしろかったわ!」
「日本一ヘタな歌手や!」
お客さんたちはこう言って私の肩を叩いてくれたのです。
「私は日本一ヘタな歌手?でもお客さんは楽しんでくれた・・・」
複雑な心境でしたが、お客さんの笑った顔をみているとこれでいいのかな?という気分になりました。
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朝美さんは、自主製作のCDを1000円で販売し、そのお金をすべて被災地に寄付するのだそうです。そして、死の恐怖や生活の不安と闘いながら紅白歌合戦出場を悲願に多摩地域で頑張っています。

彼女に出会って、私は本当に心の底から揺さぶられました。

一瞬一瞬を命がけで生きて、歌うことに命をかけて生きている朝美さんの凛々しさと強さ。

眩しい人というのは、こういう人のことなのだ。そう心に刻んだ素晴らしい、偶然の出会いでした。

朝美さんの夢が叶うよう、私も心から応援し、お祈りしています。

朝美さん、がんばって!!

そして、私も「強い夢は叶う」の言葉を信じて

がんばります!!

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