春よ来い(狭山池の桜のはなし)

3月になりました。
1日は池まわりも散歩の人でにぎわい、
ぽかぽかと春の訪れを感じさせる日中でした。

西除けから三津屋川の流入口浚渫は終わったのか、
上流の雨水の流入か、水がまた満ちてきて、
竜神淵も、もとの静かな姿にお隠れになっています。

狭山池の桜の多くは、「コシノヒガン」といって、
「ソメイヨシノ」よりも早く咲き出す品種です。
例年3月末から4月上旬にかけて、私たちを楽しませてくれます。

まだ堅いつぼみ。今年はどうでしょうか。
(3月1日西堤にて)

博物館の喫茶室から池の堤へ
階段を上がったところに植えられている数本の桜、
これだけが、例年「コシノヒガン」よりも早く咲きます。
下向きの赤い花で、「カンヒザクラ」に見えます。

この花が咲くと、お客さんやボランティアさんが誰ともなしに、
「咲いてたで」とこの花を持ってきてくれるのです。
この花が届いたら、まもなく「コシノヒガン」が咲き始める合図です。

博物館の広い敷地内には、コシノヒガンよりも遅咲きの
「ウコン」 「カンザン」 「シロタエ」 など、八重の桜が多く植えられ、
コシノヒガンが落ち着いたころに出番をむかえます。

中でも、「ウコン」はわたしが最も好きな桜
清々しいうす緑の花は、日がたつと白(内側は薄ピンク)へと変化します。
ちなみに、カレーの「ウコン」とは全く別の木です。

現在の狭山池の桜は、平成の改修以降に植えられたものがほとんどですが、
もともと狭山池は桜の名所でした。

池周りには、数は多くないですが、貫禄ある古木が残っています。
探してみてください。

狭山池博物館を設計した、安藤忠雄さんは
狭山池の桜の植樹活動もサポートしています。

「安藤さんは建築家なのに、なぜ木を植えるのか?」
の問いに
「環境問題を一番身近に感じられる手段だから」
と答えています。

「美しい風景を心にとどめている大阪狭山市のこどもたちは、
何を大切にしなければならないのかを自ずと学んでいます。」
(Casa BRUTUS No.102 sep 2008)

博物館展示室に入ってすぐの受付横には
さくら満開委員会の募金箱を常設し、
狭山池の桜のため、寄付を募っています。
博物館の入場は無料なので、ぜひお志をお願いします。

500円以上ご寄付くださった方には、
安藤さんのスケッチも入ったカードセット
を進呈していますので、ぜひ受付へ声をおかけください。

その安藤忠雄さんの講演会が、今年も4月15日に決定しました。

第8回を迎える今年のテーマは
「街を育てる 桜を育てる」

詳細はまたお知らせします。

いしとも