今朝、ふと、相田みつをさんの言葉が心に浮かびました。
「あのね
がんばらなくていいからさ
ひとつひとつやるんだね」
相田みつをさんの書と初めて出会ったのは、いまから19年ぐらい前でした。
まだ今のように知られてはいない、最初の本が出版されて間もない1993年頃だったと思います。
当時の私にはその文字の稚拙さ(素人の私からはそうとしか思えず)と素朴さに温かさと哀しさのようなものを感じて、印象深くその本を手に取ったことを今も覚えています。
この人ってどんな人なんだろう。
そう思って、一般には販売されていない、限定本があることを知って、版元に電話をして何部か分けていただいたことがありました。ある会社の創業10周年記念か何かの本で、『雨の日には雨の中を、風の日には風の中を』という白い表紙の本でした。
彼の書の中で最初に私の心を捉えたのは、
「あのね
人の為って書いて
偽りと読むんだね」
という書でした。
確かに、にんべんに為と書くと
偽りという字になります。
当時の私は、彼の意図するところは、
「人の為人の為と言いながら、結局自分の為にしかやっていないんだよなあ」と
何か自分の偽善的な行動や内面を突かれたような、見透かされたような感覚を覚えて
自己嫌悪のような気分の共感を味わっていました。
でも今は違います。
「人の為と書いて偽りとよむんだね」という語りかけに「そうだね」とただ素直に納得して、そこに暗い気持ちや自分を否定する感情が湧いてこないことにきづきます。
そして、人の為と思って何かをすることは、結局自分の為になっているという事実にも否定も肯定もしない、穏やかな心で受け止めている自分がいます。
「そうだね」と受け止めて、その後自分を責めたり自分を卑下したりしなくなった分、
以前よりはいい意味で力が抜けてきたのかな。
だから、「あのね、がんばらなくていいからさ」
の呼びかけにも、「そうだね」と素直にうなづける自分がいます。
「ひとつひとつやるんだね」
に対しても、「そうだね」と微笑むことができます。
以前なら「ひとつひとつなんて無理、できないできない、そんなの幻想」、とひとつひとつに反論したり否定したりしながらも、できればこんな風に生きたいなあと憧れるという、屈折したような、複雑な心境で作品集をひも解いていました。
でも今は
「そうだね。ひとつひとつだね。」と相田さんの言葉にうなづいて、すんなりと受け入れることができている自分がいます。
で、ひとつひとつやれなくても、それを気に病んだり、「結局できないじゃない」と自分を責めたりもしない、の〜んびり構えている自分がここにいることにもなんだか嬉しさを感じます。
この1年、私も少しは成長できたのかな?
と、自画自賛病は治らないようですが、
とにかく自分の中で何かが変わりました。
腹を立てなくなった。いらいらしなくなった。
これは大きいことです。
何かにつけて怒ったり、不平不満を感じたりしていた自分がどこかに行ってしまいました。
そして、静かな湖面のような心が、
少しずつ少しずつ自分の心の中に広がってきていることを実感します。
がんばらなくていい。
ひとつひとつやればいい。
そうなんですよね。
いつまでかかってもいい。
ひとつひとつ
今を大切に、生きて行けば、それでいい。
そんな心境に達することができた今に感謝です。
今日もひとつひとつ、ゆっくりと、自分の心を自分で明るく照らすことを大切に
今日を過ごします。
どうぞあなたも、今日を楽しんでくださいね!!祈っています。
☆(*^_^*)☆