不可解な除染 小沢祥司 環境ジャーナリストより

新聞などで発表される福島県飯舘村の空間線量率の値が年明けから急低下した
今年は積雪が多かったのでその影響かと考えていた

だが、三月末に事故後1年目の調査で村に入りモニタリングポストを
確認して驚いた。
線量測定器の置かれている場所の周りは徹底的に除染され
表土も入れ替えられていた。

持参した測定器で地上1メートルの線量率を測ってみると
毎時1・2マイクロシーベルトだったが、5メートル離れた場所では2・4あった
しかも測定器の下には分厚い鉄板。これでは直下からのガンマ線はかなり遮られる
実際に文部科学省の公表値は1を下回っている

飯舘村は原発事故で全域が高濃度に汚染されたが、村内でも汚染度に濃淡がある
南部の長泥地区ではいまだに10を超える値が計測されるところがある
なのに発表される飯舘村の値は比較的低い地区の、しかも除染された場所に
置かれた測定器の値なのだ

村の現況を代表しているとは到底言えまい。同行した京都大原子炉実験所の
今中哲二助教は「モニタリングポストの用をなさない」とあきれた

文科省に問い合わせると除染は内閣府が実施したため関与していないと言う
内閣府は「モニタリングポストが置かれていたことを認識していなかった」と答えた
事前に調整しなかったと言うのだ

だが、ポストの周りを特に念入りに除染した(ように見える)のはなぜか、
答えはなかった

・・・・・・・数値だけが一人歩きしたら私達の命は守れないと感じますね・・・・・・・

<矢車草が今年も咲いていました>