ちょっと間が開きましたが前回の続きで、王子から東のほうへ。
豊島浴場はメトロ南北線の王子神谷から東へ歩いて10分くらいのところにあります。伝統和風ではなく、玄関上の三角屋根も一見新しいけれど、建物自体は和風の古い建物です。脱衣場に入ると、番台、平らな格子天井、使い込まれた木が光っています。
脱衣場はちょっと雑然としていますが、浴室はタイルなどは新しく清掃が行き届いて清潔な感じ、でも構造は伝統を受け継いで、西伊豆と書かれた富士山のペンキ絵もあります。
豊島浴場 北区豊島8-2-18 15:00〜23:40 不定休 南北線王子神谷駅から10分
豊島浴場からまっすぐ南へ出た通りが、須賀貨物線跡の道路です。以前お話しした金星湯の前の道、直進する北王子貨物線に別れて、右へ右へカーブを続けてここへやってきます。ここからはさらに東へ、今は豊島五丁目団地になっている日産化学の工場(その昔は大日本人造肥料) に向かっていました。軍用軽便鉄道とは平行で、途中の板橋火薬製造所王子工場(今は団地と高校が集まっている区画)を挟んで、北側を通っていました。
須賀貨物線はEB10という小さな電気機関車が貨物を牽いていました。このEB10型、火薬工場に近いので火花の出る架線が使えず、最初はAB10型といって蓄電池で走っていたそうです。でも、軽便の方は電気機関車だったのでやっぱり危険で、ちょっと変。須賀貨物線の方は市電と交差していたことが原因かもしれません。
EB10型機関車の電気部分は芝浦製作所(東芝)製だった縁からか、引退後は東芝ゆかりの府中市に引き取られて、交通公園に保残展示されています。