文マネ講座−12−<報告>

京都市文化財マネージャー育成講座(建造物)も残すところ2回となりました。始まってみれば、時間が経つのが早いものです。受講者のみなさんは、修了課題で大忙しだと思います。

6月23日の講座は、立命館大学、山崎正史先生の「歴史的景観の整備」と、伝統工芸士の大谷普賢さんの「指物の技法」の講義がありました。

山崎先生の講義の中で「多様の統一、統一の多様」というお話があり、興味深かったです。建築物の高さ、壁面の大きさ、色彩、屋根の形状、窓の大きさや配置といった多様な属性のうち、どこに統一性を見るか、それは町によって違い、その町の個性をつくります。また、鴨川沿いの日本家屋には屋根に雪が積もり、その後ろのビル群は季節による変化が無いという対比もスライドで見せていただきました。何気ない風景の中にも自分たちが「大切に思う何か」があることに気づかされました。(写真は、6月23日のものです)

大谷さんの講義では、木表、木裏で反る方向が違うので家具を作る際には気をつけるという話を聞き、まさに「適材適所」だなぁと思いました。また、木で作った炭入れやさまざまなデザインの香合など実物を見せていただいたり、仕事の苦労話を面白くお話されるので、あっという間に時間が過ぎていきました。(吉)