視覚障害の方が、駅に避難するというのは、今回の訓練での発見であった。
というのは、最近ではたいていの駅周辺には、点字ブロックが敷設されている。逆方向にさえ行かなければ、駅に避難できる。
一方、避難所まで(たいてい公民館)は、鵜方公民館のように周囲の道路に点字ブロック が無い。
●しかし、駅は夜間は閉鎖される。
近鉄鵜方駅に問い合わせてみると、運行時間外の23時45分頃から明朝の5時頃まで閉鎖され、一階の階段の前にシャッターが降りるとの事。
非常時にシャッターを開放し、改札口前に避難が可能かとの問いには、「鵜方駅は避難所として指定されていないのでそのような対応は出来ず、むしろ避難勧告が出たときには駅員の皆さんも避難所である公民館か小学校へ避難するように指導しています」との事。
●逃げ遅れた人や障害のある人のために応急的な避難所に使えないか?
鵜方駅の駅員が、公民館に避難するのは仕方が無いにしても、避難する前にシャッターを開放しておいてくれるだけで駅の二階改札口前のスペースに避難できることにするのは大変良いアイデアだと思う。
(駅の中や売店に入れないようにさらに内側にもシャッターが付いているので、盗難等の懸念は無いと思われる)
これは、障害者だけでなく、周辺の地理が分からない旅行者にとっても、一番分かり易い駅に逃げ込めるのは非常に助かると思る。特に鵜方は、観光地でもあるので、地理不案内の人も多く居るのでは無いか。
また、近鉄鵜方駅の改札口は、駅の上を横断する通路でもあるので、さらに時間があれば駅裏の公民館や高台に避難する避難路の役割も果たせる事になる。
(しかし、また低い道路を走って逃げるのは、その方が危険な感じが…)
ただ、停電時には電動のシャッターや階段の横に設置されていた車いす用のエレベーターが動かないかもしれない問題は有る。
また、先ほど駅に逃げる際に「逆方法に逃げなければ」と記載したが、視覚障害者に駅の位置を音で知らせるには、駅のホームや改札口前のスピーカーで、「こちらは鵜方駅です。災害が発生したのでみなさん避難しください」とか案内音を自動的に流せないものだろうか?これも、視覚障害者だけでなく、旅行者にも、あるいは夜間でも役に立つのでは。