甲州街道とまっすぐに平行して代田橋から新宿へ向かって、水道道路という道路があります。水道道路と呼ばれる道路はあちこちにありますが、この水道道路は、明治末期に建設された、玉川上水の新水路跡です。
江戸時代は江戸に十分衛生的な飲料水を供給してきた玉川上水ですが、人口が増え、沿川が人の生活の場になると、伝染病の発生など衛生面の問題がいろいろでてきたようです。それで和泉給水所のところで玉川上水から分かれて、角筈の浄水場の間を直線で結ぶオープン水路の水道が建設されました。
現在はその跡が「水道道路」という道路になり、少し周囲より高くなった並木道が続きます。武の湯のあたりは南側がずっと都営住宅になっていて、通りに斜めに雁行した住戸が並ぶ棟などもあって、なかなかいい景観です。
七号通りというバス停がありますが、下流から数えて七番目の橋が架かっていた場所ということだそうです。武の湯はその七号通りバス停から北へ、中幡商店街を西へ少し入ったところにあります。日曜日は早朝6時からやっている貴重な銭湯で、宮造りではありませんが、伝統的な構造で外観を改装した建物です。
脱衣場は天井も高く広々しています。浴室は高い湯気抜きのあるおなじみの構造で、こちらも明るく広いです。浴槽の背景のタイル絵が太陽、花、人の抽象的なモザイクタイル、ドラマチックで目をひきます。ぜんたいに新しく、気持ちがいいです。それほど熱くないのですが、ぬるい方の浴槽に人気が集中していました。
武の湯 渋谷区幡ケ谷3-45-2 14:00〜26:00(日6:00-、祝12:00-) 月曜お休み(祝日は翌日休) 京王新線幡ヶ谷から10分