☆(*^_^*)☆陸前高田での一日〜8月30日の奇跡〜

みなさん、こんばんは!!(*^_^*)

おかげさまで、ヴォーカルれいこは、無事に陸前高田・石巻への旅から帰ってきました。

ここにまず8月30日の陸前高田での一日をご報告します。

例によって長いのですが、よろしければ読んでくださいね。

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2012年8月29日夜10時半、ヴィーカルれいこは陸前高田・石巻復興ボランティアツアーとしての新宿発の夜行バスに乗って陸前高田に向かいました。

翌8月30日、陸前高田ボランティアセンターに到着したのは、朝の8時でした。早朝に震度5の地震があったようでしたが、気づかずにバスに揺られていました。

ボランティアセンターで説明を受けた活動は、土壌から瓦礫を取り除く作業で、陸前高田市内の気仙町という住宅地だった場所が現場でした。

午前10時から作業は始まりました。

雑草が刈り取られた地面をスコップで掘り起こして、土の中に埋もれているガラス、瀬戸物、瓦、ブロック、釘などの金属片などを手で仕訳して、分別袋に入れる作業でした。

長袖上下、日除け帽、ゴム手袋、粉塵マスク、ゴーグルで完全装備し、午前中二時間午後一時間半、適宜休憩を取りながら、70名のボランティアツアー参加者と隣町から授業の一環として来た中学生約20名とで、一緒に黙々と取り組みました。

現場の隣の敷地には幸せの黄色いハンカチが風になびいていて、空にはカモメが飛び交っている爽やかな一日でした。

12時から1時が昼休みです。

美味しいお弁当と冷たいお茶が配られましたが、急いで10分で食べ終えて、ヴォーカルれいこは、作業現場まで迎えにきてもらったタクシーに乗り込んで、陸前高田中央公民館・体育館に送ってもらいました。

体育館正面入口前には慰霊の花が手向けられているテーブルが置かれていいました。そこから見た体育の内部は、津波によって破壊され尽くしたというような、信じがたいほど無惨な状況でした。

そこで、心を鎮めてまずお祈りをしました。

それから「見守っていてね」のメッセージが書かれている壁を探そうとしましたが、なかなか見つかりません。そこで、市役所に電話して詳しい位置を教えていただき、タクシーの運転手さんもいっしょに探してくださいました。

運転手さんが入口に立て掛けてあったホワイトボードをよけてくださったおかげで、視界が広がり、その奥にようやく壁がみつかり、とうとうあの壁に「対面」できました。

壁を見たときは、東京に暮らす私と、小松博子さんをはじめ震災の被害に遭われた天国に住む方々と、そして今日も陸前高田でがんばって生きていらっしゃる方々が、目に見えない絆で結ばれたような思いが込み上げてきて、「ああ」という言葉しか出ませんでした。

ためらっている私に運転手さんは「ここから入れるよ」と促してくださり、そのお陰で、「天国のおかあさん見守っていてね」とメッセージの書かれた壁の正面に立つことがでました。

そして壁のメッセージを改めて正面から見た瞬間、ここで亡くなられた方と残されたご家族の方々の哀しみが胸に溢れてきました。涙がこぼれるのと同時に、不思議なあたたかな光に迎えられたように感じました。

壁に向かってお祈りをして、それから壁にかかれた「見守っていてね」のメッセージを見ながらオリジナル曲の「見守っていてね」をアカペラで歌いました。

静かに歌いはじめましたが次第に声も涙も溢れてきて、体育館と公民館の隅々にまで届くように心を解き放して歌ううちに、沢山の方々が耳を澄まして聴いてくださっているような感覚に包まれました。

声は震えましたが、「天国の皆さん、どうか見守っていてください」とお願いしながら最後まで歌わせていただきました。

壁の前を辞して公民館を出る間際に、小松安希さんが7月7日付けで書いて公民館受付窓口の横にお供えされた色紙のメッセージをもう一度読みました。
端正で温かな文字でかかれた色紙からは、「お母さん産んでくれてありがとう」の一文が浮きあがって目に飛び込みました。

そのとき、ごく自然に、
生まれてきたこと、いきていること、それは「ありがとう」を言うためにあるのだと気づかされました。

そして、壁に書かれた「見守っていてね」のメッセージの存在をはじめて知った6月30日から丁度2ヶ月目の8月30日に、この地に立ち、ここで歌を通して沢山の方と繋がれたことに、私は小松博子さんがここに呼んでくださったと感じずにはいられませんでした。

こような形で被害に遭われた方々のご冥福をお祈りすることができて改めて、音楽活動をこれからも続けていく勇気をいただきました。

一人でも多くの方に、一人ではないことを知って欲しい。

誰にでも見守ってくれている人がいて、いつも一緒に歩いてくれている。

だから、私たちは大丈夫なんだと伝えていく。

そのために音楽活動を続けて行く。

そんな方向性とそれを続けるための励ましをいただきました。

陸前高田の訪問は、偶然が重なり、次第に実現への道筋が開かれ、様々な方々の祈りと見守りをいただいて、急展開の中で叶えられた奇跡の出来事でした。

陸前高田の海岸に立つ奇跡の一本松。

七万本の中で唯一残った奇跡の一本松の佇まいは、いつも天国から地上の私たちに届けられている一筋の希望の光そのもののようにさえ感じます。

天国に住む沢山の方々が手を繋いで地上の私たちにエールを送り、時間や空間を越えていつも守ってくださっている。

だから私たちはがんばって生きていこう。

それぞれの役割を大切に、空を見上げて歩いて行こう。

そう心に決めることができた、新たな勇気の泉が与えられた、記念の日。

それが2012年8月30日。新たな門出の日となりました。

感謝をこめてご報告します。

「行ってらっしゃい」と応援してくださった皆さん。本当にありがとうございました。

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