震災と過疎を超えて−信州栄村復興への歩み 平成の大合併を拒んだ村の新たな挑戦!

 この本は、被災地だけでなく全国の過疎地、中山間地の再生のヒントがつまった本です。多くの皆さんに、ぜひ読んで欲しいと思います。(伊藤)

震度6強の地震後、人口は予想外に減らなかった! 地元NPO理事による現地報告と提言(川辺書林から)
 2011年3月12日未明、震度6強の地震が長野県栄村を襲った。人口2300人弱の村で避難者1600人以上、全半壊181棟、道路や農地に甚大な被害を被った。
 東北の震災に隠れる形で、当初この地震に関する報道や支援が遅れ「忘れられた被災地」となる中で、地元NPO理事が村内・村外へ向けてブログとプリントで被害や復興状況を連日発信。今がまさに時代の転換点だとして、現代社会では片隅に追いやられた「集落の絆」と「農業再興」の重要性を訴え続ける。本書はその膨大なレポートから主要項目を厳選。過疎化・高齢化が進む地域における震災対応の先例集であると同時に、「中山間地域の再生」を模索する力強い提言集でもある。

*松尾眞著 定価1905円+税
*川辺書林刊 

目次
カラー口絵
 家屋の損壊/道路の被害/橋の被害/線路の被害/土砂崩れ/田んぼの被害/田んぼの復旧事業/地震から半年 
第1章 不安の中で(3.12震災〜2カ月)
第2章 立ち上がる栄村(震災3カ月〜半年)
第3章 復興への模索(震災半年〜1年2カ月)
第4章 住宅の諸問題(仮設住宅・修復・公営住宅)
第5章 農と田んぼを守ろう(田んぼの被害と復旧)
第6章 もうひとつの災害(雪害とのたたかい)
第7章 過疎山村の挑戦(地域資源を活かす試み)
過疎地の震災復興、あるいは中山間地域再生モデルとは——あとがきに代えて——