児童文学作家を語る

日 時 平成24年2月25日(土)
場 所 川西高校宝塚良元校
講 師 藤本英二氏(川西高校教諭)
 児童文学作家の中でも異色と言われる岩瀬成子のお話です。
 彼女の作品は一言で表現しますと、一般的な枠からはみ出し
形も崩れて最後はアンチクライマックスで終わるというものです。
 それは彼女が歩んできた道程にも関係すると思われますが、
その歩みは「二十歳だった頃」というエッセイに書かれています。
 父が幼い頃に亡くなり、母は兄と自分を女手ひとつで育ててくれた尊敬できる親でしたが、自分を心配してくれることが段々重荷になり、かえって反抗的になっていったそうです。
 彼女の作品は異色と前述しましたが、たとえば「額の中の街」は、米国人(父)と日本人(母)の混血少女が主人公で、死や性や退廃や憎悪や孤独等々を作品の中に持ち込んでいます。
 世間では、こんなものを子供たちに読ませて良いのか・・・との批判も出たほどの作品でしたが、彼女はそれで良いと思ったそうで、思い悩んでいる子供にこそ届くことを願っていたようです。
 その他としまして、「ステゴザウルス」(親に捨てられた子供たちの生き方等)、「オール・マイ・ラヴィング」(ビートルズファンの女の子の話し等)や、味戸ケイコとのコラボによる「夜くる鳥」(絵本)等々もご紹介いただきました。
 彼女は、日本児童文学者協会新人賞・産経児童出版文化賞・小学館文学賞等々を受賞されています。