12月25日はクリスマスだけど荒川区の小学校で特別学習補助員の仕事だった 。
僕の仕事はその小学校にいる外国人の子どもや勉強のお手伝いがいる子をわかりやすく学習指導することだ。
小学校での仕事が最終日だったから、僕がいつもみていた女の子が一緒に帰りたがっていた。
彼女は僕が2学期中ずっとみていた子で最後一緒に帰りたがっていたけが、社会保険の手続きを職員室でしないといけなかったから、途中まで彼女を送って僕は学校に引き返した。
僕は彼女を見守りボランティアの人に託し、小学校に向かった。
ムッとしてかなり不機嫌だったけど、僕が別の子どもをみて彼女を放ったらかしにしているといつも同じくムッとするから、僕は「いつもの事だ。」と思い学校にそのまま向かった。
小学校に着いて、これから帰る他の子たちに別れを済ませ、手続きを済まし、お世話になった先生方に挨拶を済ませて帰ろうとしていたけど、いつも放ったらかした後の彼女を考えるとちょっと不安になってあの場所に戻ることを決心した。
「彼女ならもう帰っている・・・ 踏切の方に行っても、彼女は帰っていておばちゃんは『もう、帰りましたよ。』と言うはずさ!」と、自分に言い聞かしていた。
踏切に彼女がもういなくて無事に帰っていることを祈っていたが、彼女は同じ場所に立ったままいた・・・
彼女はその場所で30分間泣いていて、見守りボランティアのおばちゃんもどうしていいのかわからなく困っていた。
僕は近寄り、しゃがんで、彼女の手を取って「帰ろっか。」と言った。彼女はずっと泣きながら黙り込んでいて、僕は彼女と一緒に帰る時いつも歌っていた歌を歌い始めた。歌詞はほとんど忘れていて、わからないところはあやふやに歌い、彼女が一緒に歌ってくれることを願った。
僕が歌詞をごまかして、もごもごしていたのを見て彼女は笑いながら歌を歌って歌詞を教えてくれた。彼女を笑って歌いながら家に送って、今度こそバイバイした。
これは、最初に彼女を泣かした僕が悪い。
だけど、最後に彼女を笑わせることができて良かった。