大田区萩中の小町湯、萩中公園で余生を過ごすピーテンとKATO

空港線糀谷駅から環八通りを渡り、2信号ほど東へ行った南側に小町湯があります。あまり大げさではありませんが、破風がのった木造モルタルの建物で、屋根をトタンに葺き替え、玄関も改装してフロントになっています。暖簾も看板もちょっとポップな字体で「せんとう」「小町湯」。
内部は伝統的な構造で、脱衣場の天井は新しく張替えてありますが高い格天井、浴室の天井も湯気抜きがある高い天井です。浴槽の背後は西伊豆の海岸と男湯側に富士、男湯と女湯の境は、洋風だけどおとなしい感じの湖畔風景のモザイクタイルになっています。浴槽は浅い方は少しぬるめでリラックスできるジェット、深い方には熱い湯で、熱さががまんできるように、静かにたたえられています。
小町湯 大田区萩中2-5-9 15:00〜23:00 月曜お休み 糀谷駅から5分

小町湯の近くにある萩中公園は東西350m、南北200mくらいでかなり大きな公園です。西側は芝生広場や水辺の散策路、東側には交通遊園があります。この交通遊園には2両の機関車が保存されています。
1両は東武鉄道の蒸気機関車、34号、あまり大田区との縁はないのですが、東武最後の蒸気機関車の1両して廃車後、萩中公園にもらわれてきました。いわゆるピーテン、英国ベイヤー・ピーコック社製テンダー式機関車で、小柄ながら英国製らしい端正な姿をしています。有名な5500型とは、ランニングボードが直線である点、火室が広い点が違うといえば違うので、そのあたりも観察することができます。大事に保存されていて部品なども壊れたりなくなったりせず、ちゃんとついているのは感心。子供たちに人気があって、ボイラーの上やキャブの屋根に登り放題、ジャングルジム状態になっていますが、それはそれで機関車としては幸せなのかもしれません。
もう1両は入換用のKATO(加藤製作所)製小型ディーゼルで、説明板によると、最初は東海道線の尼崎駅、その後大阪環状線の玉造駅で入換に使われていたとのこと。関西育ちですね。玉造にいた当時、環状線は城東線と言われていた時代でしょう。その後もあちこちを転々とした後、この公園で余生を送っているそうです。