羽田空港に近い玉の湯は意外に伝統和風

羽田空港は広いので、どの銭湯が一番近いとはなかなか言いにくいのですが、玉の湯が一番近いかなあという気がします。でも基本的に飛行機は海上を飛ぶようにしているらしく、飛行機が間近に見える銭湯というのはあまりなさそうです。
玉の湯が空港に近いと言っても、場所はB滑走路の南西の端、ほとんど使うことのない04エンドなので、玉の湯のあたりは飛行機が飛んでくることはありません。夏場西から帰ってくる飛行機がこのB滑走路に海側から着陸することはよくありますが、あまり滑走しているとターミナルから離れていくばかりなので、すぐに曲がっていきますし。それで海老取川を挟んだ空港の対岸、羽田の街は意外に静かです。

玉の湯は立派な伝統和風の建物です。空港の街というより羽田のもう一つの顔、漁師町に合うイメージです。玄関上は朱色に塗られた唐破風と脱衣棟の千鳥破風が重なり、懸魚、鬼瓦なども凝った造りです。玄関脇の塀、今は多くの銭湯が目隠しを継ぎ足しているのですが、玉の湯の右側の塀は植木で視線を軽く遮る程度で、塀自体は元の外見を残しているのが希少です。
内部はかなり改装されています。一応番台ですが、下足の方に張り出したboxになっていますし、脱衣場の天井も平らな布張り。浴槽の背後も煉瓦色のテラコッタ張りになっていて、ペンキ絵もありません。お湯は全体が薬湯、ちょっと熱めのお湯はとても気持ちいいです。
玉の湯 大田区羽田5-19-13 15:00〜24:00 不定休 京急穴守稲荷3分