超党派の国会議員による「チャイルドライン支援議員連盟」による勉強会が、2月27日(水)、衆議員第一議員会館にて行われました。
議員連盟会長の河村建夫議員、事務局長の大河原雅子議員のほか、3名の国会議員と20名以上の秘書の方が参加されました。
河村議員はあいさつの中で3.11以降の子どもたちの悩みの深さに思いを寄せ、「話を聴いてもらうだけで違う」「チャイルドラインをこれからも応援したい」との力強い言葉をいただきました。
チャイルドライン支援センターからは代表理事の太田が、
被災地からの電話の状況について報告しました。
続けて、チャイルドラインこおりやま副代表の鈴木綾さんが
被災地の子どもたちの様子について、
ジャーナリストの江川紹子さん、弁護士の河崎健一郎さんが
「ストップいじめプロジェクト」の活動について、それぞれ報告を行いました。
参加された議員からは、
「日本全体の自殺者は減少しているのに宮城県では増加している。
理由は大人の失業や不安という感情が子ども達にも伝わってしまっていること。
震災から助かっても自殺者が増加している。大人たちのケアが足りていない。」
といった発言もありました。
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<主な内容>
◎チャイルドラインに被災地からかけてきた電話について
・通話の概要では、会話が成立したのは全国35%、福島県57%、宮城県48%
・電話の内容は宮城県では「こころに関すること」、「将来・進路」が多く、
福島県では「いじめ」「こころに関すること」が多かった(この特徴は他の県ではあまり見られない)
・「子どもが発した気持ち」では、福島県は「つらい」、宮城県では「いらだち」が多い(2011年度)
◎福島の現場支援から見えること
・避難場所を5回移動した子どもの「自分の居場所を決められないのがくやしい」という声
・幼児の体重増加率は減少し、児童の体重は増加している。
理由として遊び場がなくなり外で運動する機会がなくなったのが
児童の体重増加の理由として考えられている。
各自治体で室内の遊び場を作っているが、時間制で交代の仕方や、
中高生の運動の場所が無いのが課題。
・物資などの支援は足りているが、人材の支援が足りていない。
ボランティアや有名人、専門家、スクールカウンセラーの支援は多いが、
土日にイベントを開くことが多く、親が忙しくて参加できなかったり、
イベントが苦手な子ども達もいるので、平日の活動者を増やす必要がある。
・保護者からの声でやっと子ども達が震災、原発のことを話し始めたり、
避難先と地元の違いを話し始めてくれている。
「地元では塾に行く子どもはいなかったのに避難先では皆行っている。
受験が心配、そもそもどの地域で受験すればいいのか分からない」と
子どもの不安な声が上がっている。
・保護者の支援が必要。障害を持った子どもを持つ保護者が支えあっていたグループが
避難などでグループとして活動が出来なくなって保護者の負担が増えていたり、
父親が県内に残りのお家族は県外に非難してしまい
保護者のストレスが子どもに向いてしまっていて、虐待の数が増加している。
◎ストップいじめプロジェクト
・大人たちが真剣に取り組んでいる姿を見て欲しい。命の生徒手帳プロジェクトという、
生徒手帳に印刷やシールを配ろうという活動をしている。
・メディアに取り上げられ一時的には関心は向くものの、時間がたつと関心が無くなってしまうが、
いじめは続いている。
・警察や教育委員会で事務的に対策してきたが、大人たちも何をしたらいいか分かっていない。
・スクールカウンセラーだけでは対応しきれないので保護者やNPOの活動が重要
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