一日二杯の味噌汁が効く 放射能対策 part3

一日二杯の味噌汁が効く 放射能対策 part3  

 放射物質から体を守る食品 
 
 一日二杯の味噌汁が効く 放射能対策part3

昆布やわかめなどの海藻類に一定の効果があることは知られている
放射物質から体を守れる食品はほかにもないのだろうか

味噌汁の効果チェルノブイリ原発事故後ある日本人の著書が英国で出版された
それをきっかけに、日本から輸出量が急増し、ソ連や欧州の人が競って食べたものがある。

著書は秋月辰一郎(1916-2005)
1945年8月9日 長崎で、爆心地から1.4キロにあった浦上第一病院
(現・聖フランシスコ病院)で被爆した医師だ。

秋月さんは著書『体質と食物』にこう書いている。

「その時私と一緒に、患者の救助付近の人々の治療に当たった従業員に、いわゆる原爆症出ないのは、その原因のひとつは、「わかめの味噌汁」であったと私は確信している」

秋月さんは生まれながら、虚弱体質だった。それでも被爆しながらも89歳まで生きた。
それでも被爆しながらも89歳まで生きた。

同じ病院で看護婦として働いていた妻は93歳の今も長崎で元気に暮らしている。
原爆投下後、秋月さんは玄米飯に塩を加え、毎日従業員や患者に食べさせた

そもそも以前から病院に備蓄された味噌汁とわかめを使った味噌汁が日常食。
被爆後は砂糖は絶対に許さず、近くでとれた南瓜やナスの味噌漬けを食べさせた。

結果、秋月さんをはじめ患者や職員は原爆症を発症していない。

秋月さんの事例を研究している広島大学原爆放射医科学研究所の渡邉敦光名誉教授は話す。「空中の放射線量も高く、当然南瓜やナスの取れた土壌も汚染されている。生き延びた秘訣は味噌にあったんです」

熟成期間が長いほど効果 渡辺さんはマウスを使った実験を繰り返し味噌の放射物質に対する効果を研究し、外部被爆、内部被爆とともに防護効果があることを確認している。

10%の味噌を加えた餌と、そうでない餌を一週間マウスに与えて強い放射線を浴びせた。
三日半後に、消化器官で最も放射線への感受性が高い小腸の細胞の再生が見られた。

また原医研では、一週間味噌を食べさせたマウスにヨウ素131とセシウム137を投与し、強い放射線を転写する実験もしている。血液中のヨウ素は六時間で大幅に減少した。

渡辺さんは、御園山地や素材を買えた実験もしている。

唯一差が出たのは熟成期間の違いだった。

「熟成期間が長いマウスほど、小腸の傷も少なく生存にっす有留も増加した。熟成段階で生まれるメラノイジンという物質が放射性防護効果のある成分の一つかもしれません

メラノイジンはアミノ酸と糖質が分解してできる物質だ。抗酸化作用も持っている。
メラノイジンは醤油にも含まれる。

味噌に比べると結果は劣るが実験では小腸の再生に一定の効果があった。
味噌や醤油と同じく大豆から作られる納豆にも放射性物質からの防護効果があるといわれている。

大豆の発酵時に生まれる成分に何らかの防護効果があるのではないかと考えられる。
だが放射線の照射直後に味噌を与えた場合は降下が見られなかった。渡辺教授はこう話す。

「防護効果を高めるには、日ごろから味噌を食べていることが重要です。一日2杯の味噌汁を飲んでほしい」 抗酸化作用のある食品をチェルノブイリ原発事故であもう一つ注目を浴びた食品がある。

スピルリナという藍藻に分類される海苔の一種だ。たんぱく質が多く含まれ日本では健康食品として販売される。

ベラルーシ放射医学研究所が被害の大きかった地区の子供100人にスピルリナを一日5グラム20日飲ませたところ、尿中の放射能レベルが50%まで低下。

その結果を受け、国も1991年3歳から7歳の子供49人に45日間酢ピルなを摂取させたところ8割の子供で尿中の放射能レベルが減少した。体内のセシウムやストロンチウムを吸着し、排出する働きがあると考えられている。

旧ソ連にスピルリナの供給を行ったDICのライフテックの石井勉学術部長はこう話す。
「日本での認知は低いですがヨーロッパでは高い。

福島事故後ヨーロッパの人からスピルリナを薦められたなど問い合わせが増えています」放射能に汚染された食品からの除去方法を紹介したが、それでも、食材減らすことには限界がある。

活性酸素を減らしたり免疫を高めたりする食生活のことも考えるべきです」(元東京都消費者センター試験研究所室長の増尾清さん)

放射性物質が怖いのは、がんになる可能性が高まるからだ。
体内に入った放射性物質は遺伝子を直接傷つけ、突然変異をおこさせ、がん発生につながる。

また体内に残った放射性物質が出す放射線は体内の水分子を攻撃すると毒性が強い「OHラジカル(フリーラジカル)」と呼ばれる分子になる。

OHラジカルは家政科すると細胞膜に穴をあけ、その穴から細胞内に入ったほう鞘製物質が遺伝子を傷つける。その結果起きた細胞の突然変異が癌へと進行する。

しかし、OHラジカルは抗酸化作用のある物質で除去できる。

放射性物質を浴びない体内に取り込まないことは大切だが、同時にこう酸化作用のある食品をとることで、OHラジカルを発生させないことも大事なのだ。

味噌に含まれるメラノイジンやスピルナに含まれるβカロチンやビタミンEは抗酸化作用ももっている。