日 時 平成25年5月16日(木)
場 所 兵庫県立芸術文化センター
講 師 朝岡 聡氏(フリーアナウンサー)
今夏のオペラ(セビリアの理髪師)公演に先立ち、プレ・
レクチャーが行われました。
作曲家のロッシーニは人生の前半をオペラ作曲家として
また後半の人生は美食家(ファオグラとトリフが好物)として
過ごした特異な人です。
オペラは18才から20年間に39作品を世に出し、日本ではこの「セビリアの理髪師」と「ウイリアム・テル」が特に有名で、あのスタンダールが「音楽界のナポレオン」と称したほど、観客を魅了しました。
特にロッシーニクレシェンドと呼ばれ、だんだん盛り上げていく技法は序曲やアリアに生かされています。
このオペラは”オペラブッファ”のひとつで、笑いと風刺を入れ込んだ「うまくいかない恋物語」です。
主人公のアルマヴィーヴァ伯爵がマドリードで見そめた美しい娘・ロジーナを追ってセビリアにやって来たところから物語は始まり、ガードのかたい彼女宅を三度の恋の作戦でついに撃破するというものです。
スペインはキリスト教国ですが、セビリアはその昔イスラムが一時支配していたため、異国情緒のある街で、よくオペラの舞台に登場いたします。
たとえば「フィガロの結婚」や「ドン・ジョヴァンニ」(モーツアルト)、「フィデリオ」(ベートーヴェン)、「カルメン」(ビゼー)、「運命の力」(ヴェルディ)等もセビリアを中心に展開しています。