パソコン作業によって目が痛くなったり、肩や首が凝ったり……。
そんな方なら是非知っておきたいのが、疲れ目に効く4つのツボ。
仕事の合間に自分でできる簡単なツボ押しのコツを、日本鍼灸理療専門学校教務部長の木戸正雄先生に教えてもらいました。
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いまや職業病の代表のようになった、VDT(Visual Display Tereminals)症候群。
パソコンなどの画面に向かっての長時間作業することによって目や身体、心などに不調をきたす症状のことで、目が痛いとか肩や首が凝るといった症状が出ます。
症状によっては、鍼灸マッサージを受けたり、お医者さんに相談したりすべきなのはもちろんですが、軽いうちであれば、作業の合間や休憩時間などを利用してちょっとしたツボ療法を試みることによって予防ができ、症状も改善されるはずと木戸先生は言います。
「東洋医学では、目には多くの経脈(気血が流れるルート)が流れ込んでいるため、目の調子が悪いと首筋や肩の凝りを引き起こしたり、身体や精神にまで影響を及ぼすとされています。
その経脈のルート上に目の疲れに効くツボもあります。
まずは第1のツボ、「睛明(せいめい)」。
これは目頭の内側、鼻根の左右のくぼみにあるツボです。目をつむり、親指と人差し指でこの左右のくぼみをつまむように圧迫します。
更にゆっくりと円を描くように圧迫しながら、目を強くつむる動作を繰り返すとより効果があります。1分くらい続けてください。
第2のツボは「風池(ふうち)」。
このツボは目の後ろに当たる首筋にあります。
髪の生え際に盛り上がっている部分がそれで、両手の四指(親指を除く)で後頭部の首筋を左右から挟むようにして、両方の親指で左右の風池を同時に圧迫してください。
息を吐きながら10秒間圧迫し、息を吸う時に圧を抜きます。これを10回ほど繰り返します。
次に第3のツボ「客主人(きゃくしゅじん)」。
このツボは目尻の後ろ側、頬骨弓中央の上際にあります。
触ると骨のくぼみが感じ取れると思いますが、そこがこのツボの場所。人差し指の上に中指を重ねてこの部位に置き、左右同時に円を描くように圧迫します。
更にこの客主人を手根部(掌の根元)で挟み、ぐっと上に押し上げるように圧迫するとより効果があります。こちらも1分間ほど続けましょう」
難しそうに思えますが、実際に木戸先生の言葉通りに手を当ててみると、睛明も風池も客主人も意外に簡単に発見できますので、以上の3つのツボを探り当ててしっかり覚えておくと、ちょっとした空き時間を利用して効果的に目の疲れをとることができるでしょう。
木戸先生によれば、以上の顔と後頭部にある3大ツボに加えて、手の甲にも目に効くツボがあるそうです。
親指と人差し指の骨が合流するところの手前、そのやや人差し指に寄ったところに触って分かるくぼみがあるはずです。
ここが「合谷(ごうこく)」と呼ばれるツボで、目の疲れだけでなく喉の痛みや花粉症にも効く、目・鼻・口の症状に対応できる万能のツボなのだそうです。
「例えば左手の合谷に対しては、右手を上から左手に重ねるようにして右手親指を左手の合谷に当て、強く圧迫したり、回すように捻転したりします」
これなら、電車の座席とかでも人目を気にすることなく簡単にできますので、覚えておくと大変に便利です。
「目は心の窓と言われるように、目の健康を維持することが心身の健康のためにとても大切なことです。
今お話しした4つのツボを覚えて、毎日ツボ押しする習慣をつけてみてはいかがでしょう」
木戸先生が教務部長を務める日本鍼灸理療専門学校では、東洋医学に基づき、はり師、きゅう師、あん摩マッサージ指圧師(いずれも国家資格)を目指す人たちを教えていますが、東洋医学の基本的な考え方は「人間の本来持っている自然治癒力をひきだす」ことなのだそうです。
毎日のツボ押しで、あなたもご自身に備わっている自然治癒力を引き出してください。profile
木戸正雄 (きどまさお)
学校法人 花田学園・日本鍼灸理療専門学校 教務部長。はり師、きゅう師、あんまマッサージ指圧師すべての資格を持ち、後進の指導に当たっている
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