巡礼寺院と民間信仰

日 時 平成25年6月3日(月)
場 所 園田学園女子大学
講 師 久下隆史氏(園田学園女子大学講師)
 兵庫県下で信仰の対象としての寺社であるとともに観光資源と
なっている寺社として、西国三十三所観音巡礼の第24番札所・
紫雲山中山寺(宝塚市)があります。
 中山寺は本尊十一面観音菩薩の霊場として多くの参詣者を
集めていると同時に安産祈願する人達にも信仰されています。
 本尊十一面観音3体が金堂に安置されており、中尊は聖徳太子が彫ったと言われ、左右は運慶、湛慶の作であると説明されています。
 寺名の由来は、「三鈷峯の中間にある寺」とも「極楽浄土の東門の中心にあたる寺」であることによるとも言われています。(「摂陽群談」)
 また江戸時代に修行者・卜部左近が三十三観音の降臨と極楽を見たという話が残っています。
 さらに徳道上人が死して冥土に出向き、閻魔大王に会って「閻魔起請文」をもらって帰ってきたとする伝承もあり、その内容は「三十三所の霊場に参拝した者は悪人といえども地獄に落ちることはない、信心厚い者が三十三所の霊場に参拝すれば極楽世界に生まれることが出来る、誤って地獄に落ちれば閻魔大王がその罪を引き受けてくれる・・・」等々だとか。
 すなわち中山寺に参拝すれば、極楽浄土に必ず行けるということなのでしょう。