腸内環境を整えて食中毒に対抗!
食べ物で腸内環境を改善しましょう!
梅雨といえば、注意したいのが食中毒。同じものを食べて中毒になる人、ならない人がいるのはなぜでしょう?
私たちが一人ひとり持っているウイルスや菌など、カラダの害となるものなどから守ろうとする免疫能力の違いが関係しているのです。
免疫力が弱い人は、中毒も発症しやすくなります。免疫力が強いと、たとえ食中毒になったとしても、回復が早いのです。
普段から菌に対する抵抗力を高め、食中毒を未然に防ぎましょう。
■免疫力の決め手は腸の中にあり
ヒトの腸の中には、約300種類、100兆個の細菌がすみついています。これらの細菌の善玉菌と悪玉菌のバランスが崩れ、悪玉菌が増えると、免疫機能が低下して病魔に侵されやすくなるわけです。
理想的な腸内環境は、乳酸菌などの善玉菌がおよそ90%、大腸菌などの悪玉菌が10%というバランスだと言われています。
■現代人は免疫力が低下している?
現代の日本人は免疫力が低下しています。その一つの要因として、食生活の変化により、腸内環境が悪化していることがあげられます。
日本が伝統的にとってきた穀類・野菜中心の食事が、この40年ほどの間に欧米型の食事、つまり肉類が増え、動物性タンパク質や脂肪、糖分を多く摂取するようになりました。
この食生活の変化が、善玉菌の活動を鈍らせ、悪玉菌を増加させることになったのです。
また現代人は食物繊維が不足しがち。やわらかく消化の良いものばかり食べていると、大腸に届く前に消化・吸収されてしまうため、善玉菌の餌にならないのです。
■腸内環境をよくする食べ物
では善玉菌を増やして、腸内環境をよくするためには、何を食べたらよいのでしょうか?
腸内環境が悪く、善玉菌より悪玉菌が多いとバリア機能が弱まり、細菌への感染を起こしやすくなってしまいます。
できるだけ免疫力を高めて感染しないような強いカラダにするためには、次の3つの成分がおすすめです。
□食物繊維
食物繊維には、腸内の有害物質を体外に排出する働きがあります。善玉菌のエサにもなります。ゴボウ、サツマイモなどに多く含まれています。
豊富に含まれる根野菜、豆類、芋類、玄米、ふすまなどの未精製穀類などを多くとるようにしましょう。
□オリゴ糖
善玉菌であるビフィズス菌が最も好む糖類で、ビフィズス菌はオリゴ糖を餌にして増えるので、腸内環境がよくなります。
豆腐、納豆などの大豆加工品をはじめ、豆類にゴボウ、玉ねぎ、バナナ、はちみつ等に多く含まれています。
□乳酸菌
乳酸菌というとヨーグルトと思いがちですが、伝統食である納豆や、伝統手製法で漬けられたぬか漬け、韓国のキムチなども、乳酸菌などが豊富に含まれています。
ビフィズス菌や乳酸菌を直接摂取できる、腸に届くという機能性食品の認定を受けたヨーグルト製品なども出ています。
腸内環境を整えることは、食中毒予防だけではなく、生活習慣病予防などにもつながります。食べ物で積極的に腸内環境を改善しましょう。
文・南 恵子(All About 食と健康)