聖書に登場する売春女性

日 時 平成25年6月14日(金)
場 所 神戸女学院大学
講 師 中野敬一氏(神戸女学院大学准教授)
 まず旧約聖書における売春女性ですが、古代オリエント(エジ
プト〜イラク)の豊穣儀礼において、神殿娼婦が存在していた由
にて、最上層の女だけが「聖婚」の儀式を行い、他の女は参拝者
と売春行為を行っていたのだそうです。
 また新約聖書においては、イエスが「あなた達(ユダヤ教信者)より娼婦らの方が先に神の国に入るだろう・・・なぜなら神の教えを信じ悔い改める人間だから・・・」とユダヤ教信者より上位に置くかのような表現をしています。
 そして中世ヨーロッパでは売春は必要悪とされ、16世紀に入りルター等により宗教改革が行われますと、結婚を賞賛し売春を非難するようになります。
 娼婦と言えば著名な女性に『マグダラのマリア』が居ますが、彼女は教皇・グレゴリウス一世により「罪深い女」とされ、西欧文学や美術作品も「改悛した娼婦」として低く位置付けています。
 もっとも一説によればキリスト教会の使徒たちの筆頭として高く位置付けられてもいたのだとか。
 彼女は、イエスの復活の最初の目撃者でもある由。
 さて売春女性については聖書も断片的にしか記載しておらず、その評価も時代とともに変遷してきていますが、これは神が人間に欲望(性欲等)を与えたからでしょうか。