お茶に潜んでいた香りを引き出す!ほうじワザの秘密
ほうじ茶の香りを詳しく調べるため、お茶の達人が茶葉をほうじているところにソムリエを連れて行き、匂いをかいでもらいました。
すると、茶葉を機械に通して火にかけるたびに、若草やかんきつ系の香り、花の香り、ナッツやコーヒー豆の香りなど、さまざまな種類の香りが出てきていることがわかったのです。
お茶には、もともと300種類以上の香り成分が含まれていますが、そのほとんどは糖とくっついていて、いわば茶葉の中で封印されている状態です。
ところが、じわじわと加熱されるにつれ、香り成分は糖から離れて外に出られるようになります。
ソムリエが、若草や花の香りと表現したのは、こうしたお茶にもともと潜んでいた香りだったのです。
また、一定の温度以上になると、糖とアミノ酸がくっついてアミノカルボニル反応が起こり、香ばしい焙煎(ばいせん)香も生まれます。
ほうじ茶は、こうした豊かな香りを茶葉からお湯に抽出して味わう、とってもぜいたくなお茶なのです。
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香ばしさ満喫!家庭でほうじ茶作り
ほうじたての香りを家庭で簡単に満喫できる方法があります。それは、フライパンで茶葉をほうじること。
お手ごろな値段の緑茶、使い切れずに残っている緑茶でもOKです。
鉄のフライパンを強火で30秒ほど温め、水にぬらしたフキンの上に2秒ほど乗せる。
火を止めたコンロの上にフライパンを戻し、緑茶15g(大さじ約3杯)を広げるように入れてフタをし、2分半待つ。
フタを開けたら、火をつけて1分ほど煎り、白い煙が出てきたら火を止め、余熱で1分加熱。
煎る時間を調整することで、「浅煎り」「深煎り」お好みの仕上がりになりますので試してみてください。
お湯を入れてほうじ茶として飲む際には、香りを出すために沸きたての熱湯でいれることをおすすめします。
※鉄のフライパンがない場合は、ステンレスの鍋でも代用できます。
材質により加熱時間は変わるので、その場合、煎るのは「煙が出てくるまで」、余熱は「煙が消えるまで」を目安にしてください。